岸くんの彼女。 (ページ5)

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Aside

優太くんの温もりがするブレザーを
着てマフラーを再び巻き付けると

一気に襲いかかってくる睡魔。

そんな睡魔と戦った結果、あっけなく負けてしまった。優太くんのブレザー大きくて安心するんだもん。

"＿＿一ノ瀬！！＿"

次に起きたのは授業のチャイムと先生の声がしてからで、｢やってしまった｣その感情で一気に頭が
支配された。

この先生、面倒臭いパターンの人じゃん。

案の定、放課後進路係の仕事を任された。

｢……何この量｣

放課後になり渡された資料。
これら全てをホチキス止めしろ、だって。

きしゆうた先輩、今日は部活?
A違う。雑用まかされた。
きしゆうたどこ?
A教室

見た目とあの人柄からは想像がつかない
LINEの塩対応加減。

優太くんとのLINEを終わらせて早く帰りたいが一心に作業をすすめる。

｢A先輩！｣

『なんで来たの～？』

｢なんでって、ブレザー｣

何だ。てっきりA先輩に会いに来たとでも
言うかと思ったのにな～。
少し残念かもな。

｢ねえ、今日のA先輩可愛すぎるんだけど…。
いつもに増して可愛い～。
今日俺ん家来ません？｣

『……へ？』

｢何か、今日は帰したくないっす｣

けどやっぱり最後には
欲しい言葉以上のことを言ってくれるから

私の心は思っている以上に満たされる。

『頑張ってはやく終わらすね…ｯ』

｢はーい｣

『…手伝ってくれないの？』

｢それは先輩が授業中に爆睡するのが悪いんで
俺はなにもしませんよ！｣

とか言って最後には手伝っちゃうのが
優太くんなんだよ。

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