●(星野みなみ) ページ43
報道があった数日後。
事務所でみなみちゃんに会った。
久しぶりにみたみなみちゃんは、
いつもより疲れていて窶れているように見えた。
「みなみちゃん…」
星野「A…ごめんね」
「んーん、大丈夫?」
星野「…うん」
「ご飯、ちゃんと食べてる?」
星野「あんまり食べてないかな」
「ちゃんと食べて?ちゃんと寝て?」
星野「ぅん…ありがとう」
「うん…」
星野「怒ってないの…?」
「んー、私には怒る資格ないかなって」
私のその言葉にはてなマークのみなみちゃん。
「私が辛かった時、苦しかった時、
みなみちゃんいつも助けてくれたじゃん。
もちろん、みなみちゃんのしたことが…
グループにとって良くないことなのは分かってるの。
だけど、みなみちゃんのそんな姿みたらさぁ…
心配になっちゃうよ」
星野「んん…ほんとにごめん…
A、沢山頑張ってくれて乃木坂のこと
守ってくれてるのに…ほんとにごめんね」
いくら、グループの士気を下げるようなことをしても、
お世話になった先輩が、目の前で泣く姿から
目を背けることは出来なかった。
私が辛かった時、みなみちゃんが抱きしめてくれたように
私も泣きじゃくるみなみちゃんを抱きしめた。
「これから…どうするの?」
星野「…卒業、しようと思ってる」
「…ほんとに?」
星野「もうグループにいる資格ないよ…」
「やだ…そんなのやだ
ここで卒業したら、これまでみなみちゃんが
頑張ってきたこと、乃木坂に残してくれたもの
全部無しにされちゃう…
私はそんなのやだ…」
星野「…でもっ」
「ちゃんと謝って、活動続けてから卒業してほしい…
分かってる…
私達後輩が先輩たちに卒業ってこと考えさせちゃう存在ってことも…
でも、これはメンバーとしてじゃなくて友達として…
私も全力で支えるから…お願いっ」
小さい頃からずっと仲良くしてくれたみなみちゃん。
Aが乃木坂に入っても、
友達って関係は変わらないからって
言ってくれたこと。
とっても嬉しかったんだよ。
みなみちゃんの今までが否定されるのは、
やっぱり悔しい。
もう少し、一緒に頑張って欲しいな。
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作者名:ニノン | 作成日時:2021年9月29日 12時