余 .

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＿

彰吾 side




あと半年。



Aに残された時間は、たった半年。



でも


「余命なんてそんな正確なもんじゃないし、2.3年は余裕じゃろ」



なんて言ってみる。

Aに対してではなく、きっとこれは自分に言い聞かせている。


お酒を飲まなかったのもきっと、病気だから。



『、ははっ、そうだといいんだけどね笑』



弱々しく笑う彼女を見て



ようやくAが病気だという事実を受け入れられたような気がした



「あ、そうだ」



「ちゃんと真知さんに言えよ、何かあってからじゃ遅いし」



『……頑張る』



言わないやつだろこれ



「、、そのまま生きることも頑張って」



そう言うと弾かれたように顔を上げ、弱々しく頷く


ああ、なんでよりによってこいつが、なんて思っても不平等なこの世の中じゃ不幸な人のうちに過ぎない。


同情されるだけの世の中だ


なんてことを考えていると、Aが口を開いた



『でもさぁ、やっぱり思うんだよね』



『死ぬこと分かってて、いつ発作が起きるかわからない、死と隣り合わせの状態で生きるのって怖いなって』



「、、っ、」



『だからいっその事死んじゃえば楽なのにって』



『でもね…っ彰吾くんがいるからそんなこと出来ないや笑』




そう言いながら笑うA



俺は病気でもなければ、余命宣告をされている訳でもない


当たり前かもしれないが、到底理解もできない。


だけど、





理解できなくたって少しくらいAの為に出来ることはある。





、、、いいこと思いついた。




「お前明日の午後空いてる？」



『うーん、、多分？』



「できれば空けといて」




『分かった、、？』



「よし、そろそろ行く？」



『あ、うん、、あっ！！お金！』



「女の子なんだから大人しく奢られてなさい」



『、、彰吾くんいつからそんなイケメンになったの、、私そんな彰吾くん知らない』




「真顔で言わないでくれる？」



「ほら、帰るよ」



と、Aの手を引く


『、、っ？！』



「ん？」



『やっぱ、、彰吾くんおかしい、、、上京して女の扱い慣れたの？ねえ、何があったの？』



「なにもねぇし何もねぇし女に慣れてるわけじゃねーよ、ほら、家まで送るから」



『ほんとに、、、意地悪な彰吾くんは何処へ』




「うるさいなぁ、置いてくよ」




『うん、戻った』




こいつほんと、アホ。

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