わたしの願い事

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12時になり、ハンビンのステージが始まる。最前列で、2人で大きく手を振れば、ハンビンはすぐに気づいて、嬉しそうに手を振りかえしてくれた。
隣のシアの横顔に流れる汗と、ハンビンを映す瞳は終始キラキラ輝いてて、少女漫画の主人公のようだった。恋をする女の子はかわいいって本当なんだな。

ステージを降りてきたハンビンは、すぐに私達のところに来てくれた。



「なんでいるの！？びっくりして振り間違えるかと思った」

「ハンビン先輩を見に来たの！そのついでに…「シアー？」



素直になれそうにないシアを咎めるように呼ぶと



「嘘よ。ハンビンが踊ってるのをみにきたの」



想像以上に素直になるもんだから、ハンビンの顔も一気に赤くなって、これは少し席を外そうかなと2人から離れる。


後で詳しく聞かせてもらおうと思いながら、飲み物を買って時間を潰せそうなところを探していると、誰かに突然右手首を掴まれた。
驚いて顔を上げると



「さっきのお友達だよね？お願い！あの子の連絡先教えて！」



一生会わないと思っていた相手に、こんなに早く再会するなんて。



「個人情報なので勝手に教えるのはちょっと…」

「じゃあ高校と名前だけでも」



それも個人情報だよね。



「あの子、好きな人もいるから」

「じゃあ彼氏はいないってこと？」



えー、どうしようこれ。まじで無理ってはっきり断ってもいいかな？今度こそ会うのは最後だと言い聞かせて、勇気を振り絞っていると




「やー、探してたよ。こんなとこにいたのか」



知らない男の子と繋がれてた手を、知らない男の子が紐といてきた。誰だこの色白ニコニコフェイス。



「お取り込み中のとこ悪いんだけど、この子用事あるから連れてっていい？」



あれ？私この人と知り合いだっけ。




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