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お母さんが夜勤に向かって割とすぐ、シアのお母さんから連絡が来た。まだ待ち合いにいると連絡するとわざわざ駆けつけてくれた。
「シアは大丈夫よ。脳震盪と、あとは軽い骨折。入院は必要だけど、学校にも間に合いそう」
「よ、よかったあ」
思わず崩れ落ちそうになるのを、シアのお母さんとのハグで防ぐ。
よかった。本当によかった。
「ハンビンにも連絡してあげてくれる?」
シアのお母さんが、連絡先聞くの忘れちゃってと笑った顔がシアによく似ていて、つられて私も笑顔でもちろんですと返す。
ハンビンに電話すると、顔が見えないのに心から喜んでいることが伝わってきて、涙が出そうになった。
「ソンイ、泣いてる?」
「泣いてない」
メテュが躊躇なく、顔を覗き込んでそんなことを言うもんだから、ハンビンが電話越しに男の声がすると騒ぐ。俺だよーなんて、そのまま耳に当ててるスマホに顔を近づけてくるメテュ。お母さんが来る前に話してたこと覚えてる?って聞きたくなるような、この距離感ね。もはや、さすがメテュと尊敬する。
ハンビンと今日泊まりに行く話を済ませて、私の家へ向かう。外に出ると、思っていたよりまだ明るくて、日の長さに夏を感じた。
「まだ明るいし、ハンビンの家で合流でいいよ。メテュも荷物取り行かなきゃでしょ?」
「コンビニでパンツだけ買って、あとはハンビンに借りるからこのまま行くのでいい」
そんなにも身軽で泊まれるなんて、羨ましくなる。
「ソンイは甘えた方がいいよもっと」
「甘える?さすがにハンビンの服を借りるのは…」
「そこじゃなくて!いつも1人で大丈夫だよってするじゃん」
今もひとりで帰ろうとするしと拗ねたようにメテュが言う。今日は特にたくさん色々な人に助けて貰ってる。これ以上甘えるなんて…
「心配ってのもあるけど、根本は一緒にいたくているだけなんだから、申し訳ない顔なんてしなくていんだよ」
「申し訳ない顔してた?」
「うん。よくしてる」
申し訳ないとは思っているけど、顔にまで出ているなんて思わなかった。
「ケイタヒョンには割と甘えられるじゃん?あとハンビンにも」
「確かに。共通点はなさそうな2人なんだけど、居心地の良さだけは似てるんだね」
えー俺は?なんて頬を膨らませる。色白で柔らかそうな頬をつついてやろう、なんて思ったけど、考えただけで恥ずかしくなったからやめた。
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かかちゃん(プロフ) - ぽけこさん» ありがとうございます。楽しみという言葉がとても励みになります😭完走まで頑張りますのでお付き合いいただければ幸いです🙇🏻♀️ (7月8日 23時) (レス) id: e08b62f225 (このIDを非表示/違反報告)
ぽけこ - この物語のメテュが魅力的すぎて大好きですーーー!続き楽しみにしております♡ (7月8日 5時) (レス) @page45 id: 97f769401c (このIDを非表示/違反報告)
かかちゃん(プロフ) - なのこ5546さん» 嬉しいコメントありがとうございます。物語が平坦過ぎて、皆さんどう思われているかと考えていたので、とても励みになります🥲🫶 (6月3日 21時) (レス) id: e08b62f225 (このIDを非表示/違反報告)
なのこ5546(プロフ) - 最新話読みした!まさかの展開でびっくりしています🥺テレ推しですがどちらとくっついても主人公が幸せならと思います🫶更新は大変だと思いますが頑張ってください! (6月3日 19時) (レス) @page29 id: 2327b9d39c (このIDを非表示/違反報告)
かかちゃん(プロフ) - !?さん» 先程違う方から、名前が直せないとお話頂きました。!?さんに変えられるようになったと言ったのに出来ておらずすみませんでした (5月18日 23時) (レス) id: e08b62f225 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かかちゃん | 作成日時:2023年5月17日 0時