わたしの願い事

31 仲良し(テレside) ページ31

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思い返してみれば、仲良しだねって言われると、どこかブルーになってた。





「3組のユ･ソンイとパク･ハンビンって付き合ってるの？テレ同じ中学なんでしょ？」


高校に入ってからよく聞かれる。2人は中学の時と変わらず仲良しで、ハンビン目当ての女子達は必ず一度この話題に触れる。



「付き合ってないよ」



決まって返すこの返事と、ハンビンのことちゃんとみてないのかなっていう疑問。
あと、僕が1番ソンイと一緒にいた時間が長いはずなのに、この数ヶ月であっという間に誰にも知られなくなったみたいで、少し残る寂しさ。中学の時はどこの男女よりも仲良いねって言われてたと思うんだどな。




ソンイと距離ができてから、何度も心の中で離れたくなかったって呟いた。そりゃ彼女がいる僕と、僕を好きだと言ってくれたソンイで、ずっと一緒にいようだなんて自己中心的でたいそうおかしな考えだとはわかっている。

でもソンイとハンビンでクラス長の集まりに顔を出してくれたあの日、無条件に笑いかけてくれるソンイをみて、おかしいと分かっていても、また一緒にいたいと思った。



ようやく普通に話せるようになったかと思えば、ソンイは女の子が選ばないような男物のパーカーなんて着ちゃって。誰の？なんて聞く資格はもちろん僕になくて、ただソンイの濡れた髪先に見とれてた。


2人で家の最寄駅に降りるけど、帰り道は逆方向で、じゃあねと手を振るソンイを見送りながら、昔のことを少し思い返す。





「テレとソンイは仲良しだね」



そう言われて、僕はどこかブルーになってた。この気持ちに気づいてしまったら、意識してしまったら、ぎこちなくなってしまったら…それでもソンイが飛び越えてきてくれた時に、俺もだよって言えてたら？







君が笑いかけてくれる度に、心の中に小さな花が咲くようだなんて思っていた。



ああ、これはずっと恋だったんだ。






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