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恋は落ちるものだ、なんてよく言うけれど、
そんな瞬間は突然やってくる。



「あべちゃんさぁ、俺の携帯どこいったか知らない?」
なんて。めめらしい。
いつも通りの、
本当になんでもない会話だった。

「聞いてる?」
『あ、ごめんごめん。
 最近、あべくんじゃなくて、あべちゃんって
 呼んでくれるようになったなぁと思って』

嬉しいな、って。
ちょっとずつ呼び方が変わって、
敬語がなくなったこの距離感が。
本当に、それが嬉しい、と思ったから。

それだけだったはずなのに。



「ふはっ!そんな簡単なことで
 俺はあべちゃんを笑顔にできんの?
 あべちゃんが笑ってくれるなら、
 俺いくらでもあべちゃんって呼ぶよ」
って。

子供みたいに笑うその顔に。
心臓がぎゅーっと握りつぶされそうになった。



——あ、これ、ダメなやつかもしれない。


そう思ったときにはもう遅かった。

 

一度意識してしまったら、
そこからは本当に一瞬で。

ふとした瞬間に見せる真剣な横顔をかっこいいな、
なんて思ってしまったり。
褒めると素直に嬉しそうに笑う顔を可愛いな、
と思ってしまったり。
低く優しく響く声にどきっとしたり。


最初は気づかれたらどうしよう、なんて
思ったこともあったけれど


そもそも俺は、男だし。

俺の特別な感情に、
めめは気づくはずもない。


俺が、この気持ちを口にさえしなければ。
延々と何も変わらない、ということだ。



少しの苦しさと、安堵。



マイノリティを否定するタイプではない、と思う。
ただその想い人が自分となれば、
きっと、今みたいな距離感ではいられなくなる。
応えることのできない気持ちに、
ある程度の距離が必要なのは、同性も異性も関係ない。

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nnna7(プロフ) - そんなふうに言ったいただけて嬉しいです( ; ; )ありがとうございます。 (2021年11月20日 12時) (レス) id: b94d1008cf (このIDを非表示/違反報告)
asumico(プロフ) - 読み返している程、大好きなお話です。 (2021年11月19日 21時) (レス) @page39 id: 246c5f75dd (このIDを非表示/違反報告)
nnna7(プロフ) - サイト仕様がわかっておらず、気付きませんでした、、ご指摘ありがとうございます! (2021年11月13日 21時) (レス) id: b94d1008cf (このIDを非表示/違反報告)
るーりん - めめあべ最推しなのでとっても楽しませてもらってます〜!更新頑張ってください!あとオんリんジんナんルんフんラんグ外してください・・・(んを除いて読んでください) (2021年11月13日 9時) (レス) @page8 id: a9a7e13897 (このIDを非表示/違反報告)
ネロ(pcからだよ) - オリフラ立ってますはずしましょ (2021年11月13日 7時) (レス) @page7 id: e902eb4fcf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:nnna7 | 作成日時:2021年11月12日 19時

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