ep.5（ab） ページ7
ab side
「なんかあった？」
『へ…？』
どさっと隣に腰をおろしためめの予期せぬ問いに
間抜けな声が漏れる。
さらっとこういうことを聞けるのが、彼らしい。
「あ、いや…なんかなんとなく？
ちょっといつもと雰囲気違く見えたんだけど。
違ったらごめん。」
綺麗な瞳が真っ直ぐ俺を捉えると。
自分を覆っていたものが
ぼろぼろと剥がれていく気がする。
それが、不思議と、嫌ではなくて。
ああ、俺ちょっと追い込まれてたんだな、って
素直に受け止められる。
『…本っ当によく見てるね。
なんでめめにはバレちゃうんだろう』
俺より俺が見えててすごいな。
ちょっとくすぐったくて、ふわふわと笑ってしまう。
「この後暇？飯、食いに行かない？」
『え？』
「話、聞くよ」
めぐろは、俺を甘やかす。
それが、心地よくて。
心地よすぎて。
抜け出したくなくて。抜け出せなくて。
ときどき、少し、苦しい。
『ありがと、え、でも本当にたいしたことじゃなくて…』
「たいしたことじゃなくても！俺が聞きたいの。
俺と飯食うの、イヤ？」
『イヤなわけないじゃん！！！』
「じゃあいいじゃん。行こうよ。
俺、あべちゃんと飯食いたい」
子供みたいくしゃっと嬉しそうに笑うその笑顔に、
俺が、というその言葉に
体温が上がる気がする。
いつもそうだ。
めぐろは俺に向ける優しさを
俺がしたいことだから、と言って優しく笑う。
——好き、だなぁ。
この気持ちは恋愛感情だ。
だから、その優しさが嬉しくて。
やっぱり少し、苦しい。
『でも…』
「なに？」
『…明日も早いんじゃないの？ドラマの撮影、あるでしょ？早く帰ってゆっくりした方が…』
ドラマの撮影で連日ハードスケジュール。
早朝深夜と時間も不規則。
俺よりめめの体調の方がよっぽど心配だ。
「明日は昼から。だし、あべちゃんと違ってどうせそんな早く眠くなんないから。」
なんて、悪戯っぽく茶化したくせに。
「たまには頼ってよ」
そういう声は力強くて優しい。
こういうときのめめは頑固だ。
俺がいくら大丈夫、と言っても。
なかなか引かない。
大丈夫かどうかの基準はめめが決めるらしい。
それが、嬉しいんだ。
どうしようもなく。
ちゃんと見ててくれる、って。
俺の方が年上なのに。
めぐろが甘やかすから。なんて言い訳にして。
少しだけ、甘えたくなる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 521人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
nnna7(プロフ) - そんなふうに言ったいただけて嬉しいです（ ; ; ）ありがとうございます。 (2021年11月20日 12時) (
レス) id: b94d1008cf (このIDを非表示/違反報告)
asumico(プロフ) - 読み返している程、大好きなお話です。 (2021年11月19日 21時) (レス) @page39 id: 246c5f75dd (このIDを非表示/違反報告)
nnna7(プロフ) - サイト仕様がわかっておらず、気付きませんでした、、ご指摘ありがとうございます！ (2021年11月13日 21時) (レス) id: b94d1008cf (このIDを非表示/違反報告)
るーりん - めめあべ最推しなのでとっても楽しませてもらってます〜！更新頑張ってください！あとオんリんジんナんルんフんラんグ外してください･･･(んを除いて読んでください) (2021年11月13日 9時) (レス) @page8 id: a9a7e13897 (このIDを非表示/違反報告)
ネロ(ｐｃからだよ) - オリフラ立ってますはずしましょ (2021年11月13日 7時) (レス) @page7 id: e902eb4fcf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：nnna7 | 作成日時：2021年11月12日 19時
