ep.2 ページ40
・
撮影の合間に、自前のカメラで
ふっと目に留まったものやメンバーをおさめるのは
もう日課なっている。
気分転換に外に出たら
ちょうど夕暮れどきで。
ええかんじの写真が撮れて、
テンション上がった。
楽屋に戻ってくると、
隅っこのソファで寝てるぽいめめと
その肘掛けに腰掛けるあべちゃんが目に入った。
あ、なんや、一緒におるやん。
2人の空気にちょっとした違和感を感じたのは、
勘違い、なんかな。
あべちゃんがめめの髪をふわっと撫でる。
——あ…
思わず、シャッターを切った。
その光景が、
何て言うんやろな。
めっちゃ綺麗やな、と思った。
『あ…ちょっ…康二！！』
シャッター音に気づいたあべちゃんが
ぱっとこちらに駆け寄ってくる。
「めっちゃ、いい写真撮れたで〜」
見る？ってあべちゃんに画面を見せる。
我ながら、いい瞬間が切り取れた気がする。
いつも優しいあべちゃんやけど、
こんっなに優しい顔で笑うんやなって。
「今日のブログの写真これにしよかな〜」
『え、やだっ』
俺のご機嫌な声を遮るようにひびく強めの否定の言葉。
「え、なんで？」
思ってもなかった反応に俺も間抜けな顔を
してしまったかもしれない。
あべちゃんもあべちゃんで、
つい出てしまった自分の言葉に
少し慌てたような表情を見せた。
じっと見つめて答えを待つと
顔を真っ赤にして下を向きながら。
『…なんか……恥ずかしい…から…』
って。
あれ…？これって。
俺は勘違いをしていたのかもしれない。
2人は喧嘩しているのではない、
想い合っている、のではないか。
めめがあべちゃんを目で追うてるのは
好き、やからで。
俺を見て不機嫌そうな顔をしたのも
あべちゃんにひっついてたおれに
ちょっとした嫉妬、なんかな。
かわいいところあるやん。
まぁ元々めめはあべちゃんには特別甘いけど。
その形がちょーっと変わって
さらに特別、になったんかもしれん。
ここ最近の言動含めて
そう思うと一番しっくりくる気がした。
そして、
この写真に映るあべちゃんの顔は、
めめにだけ見せる表情、で。
他の誰かに見せたらあかんもんなんかもしれん。
写真一枚で
耳まで真っ赤にするあべちゃんが微笑ましくて、
かわいいな、と思った。
そっか、とだけ返すと。
あべちゃんは
少し安心したような、でも不安そうな、
なんとも言えない顔で笑った。
恋ってええなぁ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 521人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
nnna7(プロフ) - そんなふうに言ったいただけて嬉しいです（ ; ; ）ありがとうございます。 (2021年11月20日 12時) (
レス) id: b94d1008cf (このIDを非表示/違反報告)
asumico(プロフ) - 読み返している程、大好きなお話です。 (2021年11月19日 21時) (レス) @page39 id: 246c5f75dd (このIDを非表示/違反報告)
nnna7(プロフ) - サイト仕様がわかっておらず、気付きませんでした、、ご指摘ありがとうございます！ (2021年11月13日 21時) (レス) id: b94d1008cf (このIDを非表示/違反報告)
るーりん - めめあべ最推しなのでとっても楽しませてもらってます〜！更新頑張ってください！あとオんリんジんナんルんフんラんグ外してください･･･(んを除いて読んでください) (2021年11月13日 9時) (レス) @page8 id: a9a7e13897 (このIDを非表示/違反報告)
ネロ(ｐｃからだよ) - オリフラ立ってますはずしましょ (2021年11月13日 7時) (レス) @page7 id: e902eb4fcf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：nnna7 | 作成日時：2021年11月12日 19時
