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「ねぇ」
『なんだよ』
「ヤキモチ妬いてたように見える」

もうすっかりいつもの調子を取り戻しためめが
意地悪そうに笑いながら俺の目をじっと見つめる。



「ねぇってば」
『……悪い?』
「それ、俺期待しちゃうんだけど」

恥ずかしくって目線を逸らせば、
それを覗き込むように顔を近づけてくるから。
たぶんもう真っ赤になってしまっている顔を
見られたくなくて。
でも、嬉しくて。

もう、どうにでもなれと思って
めぐろの肩に頭を預けた。


めぐろが頭の上でふっと優しく笑った気配がした。


「ね。俺、あべちゃんが好き。大好き。すげー好き。」

そっと抱きしめられる感覚。


こうやってストレートに言葉を伝えられるところも、
好きなんだよな、なんて。


頭の中の俺は素直だ。


俺が何も返せずに黙っていると、
なんか言ってよ、とクスクス笑う。


あぁほんっとに。
余裕があって、ずるいな。


『…たぶん俺の方が好き。
 もう1年以上前から好きだったんだから、舐めんな』

我ながらこんなときに
ムードのカケラもない返答に呆れる。


けど、こんなの予想してなかった。
想定外の展開に俺は弱い。
もうキャパオーバーだ。
恥ずかしくて顔も見れない。

でも、伝わってよ。
俺も、どうしようもないくらい好きだって。



「ねぇ、キスしてもい?」
『…聞くなよ』
素直な返事ができないまま。
でも、たぶんもうきっとめぐろには全部伝わってる。

そっとほっぺを両手で包み込まれて、
それに合わせてゆっくり顔を上げると、
嬉しそうに目を細めて笑っていた。


相変わらずめぐろは
俺を甘やかす天才だ。


あぁ、幸せだな、と思いながら目を閉じた。


何度も何度も角度を変えて。
唇が離れた後も、名残惜しくて、
それを口にするのは恥ずかしくて、
誤魔化すようにまた肩に頭を預けた。

背中を撫でる手は優しくて。
また、好きが増えていく。



「ねぇ」
『もーなんだよ』

——あべちゃんのこと、一番近くで守らせてね。

そっと優しく、その大好きな声で耳元で囁くから。
覚悟を決めて、素直に頷いた。
もう離したくないな、と
背中をぎゅっときつく握りしめた。


少しだけ自分の気持ちを素直に伝える努力は
してみてもいいかもしれない。
そんなこと無意味かもしれないけど。
これからも、俺を甘やかしてね。

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nnna7(プロフ) - そんなふうに言ったいただけて嬉しいです( ; ; )ありがとうございます。 (2021年11月20日 12時) (レス) id: b94d1008cf (このIDを非表示/違反報告)
asumico(プロフ) - 読み返している程、大好きなお話です。 (2021年11月19日 21時) (レス) @page39 id: 246c5f75dd (このIDを非表示/違反報告)
nnna7(プロフ) - サイト仕様がわかっておらず、気付きませんでした、、ご指摘ありがとうございます! (2021年11月13日 21時) (レス) id: b94d1008cf (このIDを非表示/違反報告)
るーりん - めめあべ最推しなのでとっても楽しませてもらってます〜!更新頑張ってください!あとオんリんジんナんルんフんラんグ外してください・・・(んを除いて読んでください) (2021年11月13日 9時) (レス) @page8 id: a9a7e13897 (このIDを非表示/違反報告)
ネロ(pcからだよ) - オリフラ立ってますはずしましょ (2021年11月13日 7時) (レス) @page7 id: e902eb4fcf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:nnna7 | 作成日時:2021年11月12日 19時

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