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ふっと目に入るあべちゃんが手に取っていた缶に
アルコール9%の文字。
フルーツの描かれたパッケージのせいで
気付かなかったけど、
たぶんこれそんなにお酒強くないあべちゃんに
たくさん飲ませたらだめなやつなんじゃ？
『めめ？』
俺を呼ぶ声が心なしか甘ったるい。
「もう顔真っ赤じゃん」
ふっと親指で頬撫でだ。
俺も俺でいい感じにふわふわと酔っ払っていて。
俺って学習能力ゼロだ。
触れた先の頬がピクリと動いた気がして
さっと冷静になる。
せっかく。
せっかくまた、あべちゃんが俺の目を見て
笑ってくれたのに。
「ちょっと待ってて、水とってくる」
ぱっと手を引っ込めて立ち上がろうとした瞬間、
引っ張られる感覚。
『やだ』
あべちゃんが俺の服の裾をぎゅっと握る。
「…あべちゃん？」
『となり、いてよ』
だめだな、俺は。
今、あべちゃんは酔っ払ってるんだ。
分かってる。
わかっててそこに漬け込みたい。
止まれそうにない。
冷静になりたいのに。ならせてくれない。
なんて人のせいにしようとしている。
俺の意志でしかないのに。
アルコールのせいかな。
本音がこぼれ落ちそうになる。
俺も隣にいたいよ
今この瞬間の、物理的な距離じゃなくて。
特別でいたい。
なんて。
声には出せなかった。
この空気が白けてしまうのが怖かった。
真っ直ぐ俺を捉える瞳から目が離せなくて。
そのまま覆いかぶさるように押し倒して、
ごめんと小さく呟いて、深く口付けた。
一瞬ぐいっと肩をぐっと押し返されたけど
止まれなかった。
もっと、もっと。
俺ごと拒絶するように抵抗してよ。
苦しそうに漏れる吐息も
俺の手首をぎゅっと握る手も
こんなの、愛しいだけだ。
少しだけ残っていた理性が
着ていたニットに手をかけたところで
ストップをかけた。
顔を上げることはできなくて、
目を見ることはできなくて、
首元あたりに顔を埋めた。
「……俺のこと…嫌い…じゃない…？」
出てきた言葉はひどく臆病で。
ずるい聞き方をした。
返事はない。
その代わり、
細い腕が俺の首にゆっくりと回って
少し小さな手のひらが優しく髪を撫でた。
もしかしたら。
もう、あべちゃんは
それほど酔っ払ってはいないのかもしれない、
と遠くで思った。
でも引き返せる気もしなかった。
「好きだよ…」
聞こえないくらい小さな声で呟いて、
また噛み付くように口付けて、
そのままソファに沈んだ。
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nnna7(プロフ) - そんなふうに言ったいただけて嬉しいです（ ; ; ）ありがとうございます。 (2021年11月20日 12時) (
レス) id: b94d1008cf (このIDを非表示/違反報告)
asumico(プロフ) - 読み返している程、大好きなお話です。 (2021年11月19日 21時) (レス) @page39 id: 246c5f75dd (このIDを非表示/違反報告)
nnna7(プロフ) - サイト仕様がわかっておらず、気付きませんでした、、ご指摘ありがとうございます！ (2021年11月13日 21時) (レス) id: b94d1008cf (このIDを非表示/違反報告)
るーりん - めめあべ最推しなのでとっても楽しませてもらってます〜！更新頑張ってください！あとオんリんジんナんルんフんラんグ外してください･･･(んを除いて読んでください) (2021年11月13日 9時) (レス) @page8 id: a9a7e13897 (このIDを非表示/違反報告)
ネロ(ｐｃからだよ) - オリフラ立ってますはずしましょ (2021年11月13日 7時) (レス) @page7 id: e902eb4fcf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nnna7 | 作成日時：2021年11月12日 19時
