#2 失う ページ3
激動の日々を終え、やっと私に休みがやってきた。
へとへとの体をなんとか家まで引き摺り、パンプスを雑に脱いだら私の幸せな休日のスタートだ。
明日は何も予定が無い。
家にはお酒も沢山キープしてあるということは、決まりだね。
『明日は昼から飲んじゃおうかな!』
いえーい!と手を腕にあげ、私は寝る支度を始めるのであった。
ーーーーーーーーーー。
『た、退去命令………?』
「Aちゃん本当にごめんね…。マンションが老朽化していて、一度解体することになったの。急なんだけど3ヶ月後には…」
『え、え!?あ、そうなんですか…えぇ…まあ、仕方ないですもんね』
「Aちゃん、ここ住んで長いじゃない?だから申し訳ないと思って…勿論引っ越しの為の援助はするから!」
『ここ、職場からも近くて凄く気に入ってたんですけどね。大家さん謝らないで下さい、誰も悪く無いですから。私もそれなりに社会人やってるんで大丈夫です!本当、お世話になりました』
私の幸せな休みが急変した。
朝、珍しく家のチャイムが鳴ったかと思うと、長年お世話になっている大家さんの姿がそこにあった。
何か私迷惑かけたか…?と自分の行いを振り返っていると、大家さんからまさかの退去命令を告げられた。
老朽化なら仕方ない、誰も悪くない。勿論大家さんも悪くない。
『家、どうしようか……』
あと3ヶ月後、早急に引越しが必要になった。
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作者名:鯖 | 作成日時:2024年4月2日 0時