#8 本橋依央利 ページ10
『依央利君、ごめん、今日はこれだけ洗濯お願いしてもいいかな…?』
「勿論!!!Aちゃん、隠れてコソコソ洗濯してるの知ってるんだよ?本当だったら許さないからね?契約したよね?」
『あ、うん!契約した!したんだけどさ、依央利君、みんなの分も全部家事やってるから少しは楽してもらいたくて…』
「あのさぁ、半年経ったんだから分かるよね?それが僕にとっては迷惑なの!どんどん負荷かけて欲しいの!滅私!貢献!奉仕!」
『は、はいぃーー!!!』
「じゃあAちゃん、行ってらっしゃい!はいこれお弁当。お仕事頑張ってね」
『いつもありがとう。行ってきます!』
「気をつけてねー!」
これが依央利君です。
最初はびっくりしたけど、最近は少し慣れてきた。
正直仕事でヘトヘトな日は、依央利君に凄く助けられている。
お弁当箱と水筒を洗ってくれて、洗濯もやってくれる、お風呂上がりはドライヤーしてくれて、肩もみ付きのフルコース。
働き過ぎで少し心配だけど、依央利君はこの状況が良いと言う。
謎の契約も結んでしまった以上、彼の好きにさせようと思った。
昼休み、パカッとお弁当箱を開ければ、栄養バランスの取れた美味しそうなご飯たちが詰められている。
「山田さん、ここ何ヶ月かお弁当持ってきてますよね?彼氏ですか〜?」
『あぁ、違うの。可愛い犬君が作ってくれるんだよ』
「え?」
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作者名:鯖 | 作成日時:2024年4月2日 0時