ロブ・ロイ (ページ14)

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「…私、」

…でも知ってるよ。

彼女が好きか聞いても答えなかったのは、結局彼の優しさだ。

「…ビール、本当は嫌いなんだよ。苦くて美味しくないしお腹にたまるし。

甘いのが好きだけど、照に合わせてビールにしてた。

それにせっかく作ってくれたから文句言わないようにしてたけど、このチャーハンの量何？多すぎ！
いつもムリして食べてるんだけど。

あと、料理も。本当は出来るんだよ？私。

照が笑ってくれるからさ、なんか楽しくなっちゃって出来ない風にしてただけで、チャーハンも照より上手に作れる自信あるよ」

急にそんな事を言い出す私に、困惑しながらも真面目に聞く彼が可笑しくて笑ってしまいそうになる。

「どう？好きになった？」

「…A、」

「分かってるよ。女らしさが足りない事くらい。…これ全部嘘だし」

「そこがAの良いところだよ」

「でも好きにはなってくれないでしょう？」

…そんな困った顔すんな。

冗談が本気みたいになるじゃんか。

「好きだったよ」

「…え、」

「そんなお前の事、俺も好きだった」

「…うそ、だ」

「嘘じゃない」

…嘘じゃない。

そんなのは目を見れば分かる。

でもすぐに納得が出来るほど私は賢くない。

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