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一目惚れなんて、本当にあるんだ。
可愛いとか美人とか、顔だけで寄ってくる男もたくさんいてその度に嫌気が差していたけど、彼の一目惚れという言葉には何故か悪い気はしなかった。
むしろ嬉しいと思っている自分がいる。
「…向き合って欲しい事って、これ?」
「…うん、まぁ」
さっき言っていたのはこういう事だったのかと一人で納得する。
彼の素直な気持ちを聞けたことがなんだか嬉しかった。
「…もしかしたら、私って今、幸せなのかもしれない」
父が私と向き合ってくれて、翔太がいてミズキがいる。
「…なんだそれ」
もうそれだけで充分だった。
「だけど、もうそれで充分だ。これ以上は何も望まない。望んだらいけない気がしてる」
「もっと幸せな事なんてたくさんある。俺がそう思わせてあげるから」
「これ以上は、もういいよ。…だって失くしたら、苦しむだけじゃん」
「失くさなきゃいいだろ」
「…でも」
「Aを幸せにする事は俺にしか出来ない」
「…どうして?」
「好きだから」
好き、という言葉を誰かに言われるのは初めてで、一瞬理解する事が出来なかった。
こういう時、どういう反応をして何と言えばいいのかも、私には分からない。
「これからも俺に守らせてよ」
「…それは、どういう、」
「だから、…俺の彼女になれ、って」
照れ隠しなのか、少し乱暴に頭を搔く。
「…てかお前に断る理由なくね?俺の事好きならそれで良いだろ」
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バンビ(プロフ) - ただの渡辺担さん» コメント、リクエストありがとうございます。是非、参考にさせて頂きます。これからもよろしくお願いします。 (2021年3月27日 12時) (レス) id: 99dc10468d (このIDを非表示/違反報告)
ただの渡辺担 - すごい面白くて全作品読ませていただきました!今リクエスト募集されているのかわからないのですが、よかったら『ワインクーラー』をテーマにした作品を読んで見たいです! (2021年3月27日 10時) (レス) id: cfc10ba5d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バンビ | 作成日時:2021年2月18日 11時