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「声でけぇ!」
と言う彼も同じくらい大きい声で、周りの人に笑われている。
それだけで彼らがクラスで目立つ存在であるのだと分かった。
「翔太んとこの可愛い子ちゃんが来てるよ」
教室から出てきてくれた彼と目が合ったのは、先輩に背中を押されたからだ。
「A?」
「あ、えっと…わざわざ出てきてもらって申し訳ないんだけど、全然大した事じゃなくて」
「うん」
「…昨日は、逃げてごめん、」
そう言うと彼はポカンとした顔で私を見つめる。
「…それだけ、…じゃあ」
なんだか恥ずかしくなり逃げようとすれば、彼はあははははっと声を出して笑った。
「本当に大した事じゃねーな」
「…やっぱり来なきゃ良かった」
今度こそ本当に帰ろうとすれば、腕を捕まれる。
「今日は?」
「…え、」
「今日は逃げないでいてくれる?」
私の返事を待つ間、腕を掴む力は緩まない。
「…うん」
そう言えば満足そうに笑った。
「じゃあ、下駄箱で待ってる」
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バンビ(プロフ) - ただの渡辺担さん» コメント、リクエストありがとうございます。是非、参考にさせて頂きます。これからもよろしくお願いします。 (2021年3月27日 12時) (レス) id: 99dc10468d (このIDを非表示/違反報告)
ただの渡辺担 - すごい面白くて全作品読ませていただきました!今リクエスト募集されているのかわからないのですが、よかったら『ワインクーラー』をテーマにした作品を読んで見たいです! (2021年3月27日 10時) (レス) id: cfc10ba5d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バンビ | 作成日時:2021年2月18日 11時