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「A、翔太さんとどうしたの」
月曜日、空き教室でお昼を食べながらミズキに聞かれるのはやっぱり彼の事で。
「あぁ…別に何も」
「連絡してって言ったじゃん」
「ごめん、忘れてた」
何て説明すればいいか分からず、結局連絡しなかったっけ。
「…翔太って、変な人だよね」
あれから考えるのは彼の事ばかりで、なんとなくムシャクシャしてずっと家で過ごしてた。
私もこんなの柄じゃない。
だけどそれ以上にそう思ってるのはミズキの方で、言葉にはしないものの彼女の表情から伝わってくる。
「そういえば翔太さん、辰哉の後輩なんだけど」
「あー、うん。中学の時のだっけ」
「出会ったのはそうらしいけど、高校も同じみたいでさ」
「え?深澤さんの高校って、」
「A」
私たちの会話を遮った声は、一瞬考えてしまったが確実に彼の声だった。
声のした方を向けば、彼は私の隣に座る。
「…え、なんで…」
「俺もここの学校」
彼が制服を着ている事に違和感を感じる。
たぶん高校生には見えない容姿が一つの原因だ。
きっとこの事を言いかけていたであろうミズキを見ると「らしい」と苦笑した。
「あ、辰哉から電話だ。じゃあ後でね」
空気を読んだのかそうじゃないのか分からないような口実で彼女が席を立つと、少しの沈黙に気まずさを覚える。
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バンビ(プロフ) - ただの渡辺担さん» コメント、リクエストありがとうございます。是非、参考にさせて頂きます。これからもよろしくお願いします。 (2021年3月27日 12時) (レス) id: 99dc10468d (このIDを非表示/違反報告)
ただの渡辺担 - すごい面白くて全作品読ませていただきました!今リクエスト募集されているのかわからないのですが、よかったら『ワインクーラー』をテーマにした作品を読んで見たいです! (2021年3月27日 10時) (レス) id: cfc10ba5d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バンビ | 作成日時:2021年2月18日 11時