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「生もう一つ」
用が済んだのか戻ってきた翔太が隣に座った。
なんだか見ていたくなくて、意味も無くメニューに目を通す。
カウンターで良かったなと思った。
「A」
いつもより優しい声で私の名前を呼ぶ。
「なんで泣きそうな顔してんの」
翔太のせいじゃん、ばか。
なんて言えるはずも無くて。
こんな時でさえ、自分でも気付かなかった表情の変化にすぐに気付いてくれるとこも好きだな、なんて思ってしまう。
「からし、つけすぎた」
テーブルに置いてある串を持ち、翔太に見せる。
こんな強がりも、翔太にはバレバレで。
「…ふぅん」
聞こうとしてこないけど、この一言で翔太が私の嘘に気付いてることくらい分かってしまうなんて、私も私だな。
「彼女？電話」
「…うん」
大人にもなれば冷静に振る舞うことも普通に出来る。
「あんまり良くないよね、やっぱ」
「何が」
「こういうの。二人で会ったり泊まったりさ、いくら何も無くても翔太には彼女がいるんだから」
「今更、別にいいだろ」
「今更じゃないよ。ずっと思ってた」
「…なにが言いたいの」
「やめよ」
考えたら言えなくなると思った私はハッキリとそう言った。
本当は、やめる？とか、やめよっか、と翔太に委ねてしまいたかった。
きっと翔太は嫌だと言う。
それを聞いて安心したかった。
でもこのままだと本当に私が恋愛出来なくなってしまう。
一生このままで良いなんて思ってるわけがなかった。
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バンビ(プロフ) - カレソさん» カレソ様、コメントありがとうございます。感想を頂く事が何より励みになります。最後まで読んで頂きありがとうございました。 (2020年9月20日 20時) (
レス) id: 290b31182b (このIDを非表示/違反報告)
カレソ(プロフ) - 完結されていたので一気読みできて最高でした。とにかく胸が締め付けられて涙がちょちょぎれてしまいました。素敵なお話ありがとうございます！今後も応援しております。 (2020年9月20日 18時) (レス) id: 38540f6201 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - かなさん» かな様、コメントありがとうございます。もっと皆様に楽しんで頂けるように頑張りますので、今後もよろしくお願いします。 (2020年9月6日 23時) (レス) id: d49da2a08d (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - びっくりするくらい思わせぶりな行動が多いくせになにもこっちには与えてくれない感じが苦しいんですけど好きです！続き楽しみにしています。 (2020年9月6日 22時) (レス) id: d4d46f8c31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：バンビ
| 作成日時：2020年8月31日 1時
