ロバート・バーンズ

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「おい、泣くなよ…」









泣いてるんだ、私。









確かに彼はぼやけて見えるし、頬は濡れているけど。









「…だって、嬉しくて、」









嬉しくて、好きが溢れて止まらなくて、きっとそれが涙になってしまっただけ。









「付き合ってるんだから、好きに決まってるだろ」









「…うん、好き。どうしよう、大好き」









「…わかった、から」









照れてるだけだと分かってから、その顔も愛おしくてたまらない。









慣れない手つきだけどちゃんと私の涙を拭ってくれる所も、好き。









「Aが嫌なら、もうあいつら部屋入れないけど」









「…ううん、違うの。嫌だったのは、知らないから不安だっただけで、翔太くんが今、そうやって思ってくれてるならそれでいい」









私の事好きでいてくれてるなら、それだけでいいと思ってしまうほど単純なのだ。









そんな私に彼はふっと優しく笑って、涙を拭ってくれていた手で私の頬を挟む。









ゆっくり近付いて来たと思ったら触れるだけのキスをして手を離した。









きっとブサイクだったのだろうけど、ドキドキしすぎてそんなの気にしていられない。









今度は優しく顎を支えられ、今までにないくらい甘い目で見つめてくるからたまらなくなって目を逸らすと、さっきよりもちょっとだけ長めのキスをする。









「…っ、な、に」









いつもよりドキドキするのはきっと、岩本さんの言っていたフィルターってやつが取れたからだと思う。









「可愛いから、したくなった」









「…ど、したの」









「ちゃんと伝えないと、誰かさんが泣いちゃうからね」









そう言って笑う彼は悔しいくらいにカッコイイ。









「…あー、カッコイイ、すき、」









「ふははっ。やっぱお前、そっちの方がいいわ」









「やっぱり言って欲しいんだ」









「まぁね。好きって言ってるお前の顔見るのが好きだから」









「…どんな顔、」









「俺の事好きで好きでたまらない、って顔」









…確かに、そうだけど。









結局いつまで経っても彼の方が一枚上手だ。









だけど、それはきっと彼が年上だからじゃない。私たちの相性の良い性格が、そうさせる。









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