アメリカーノ (ページ10)

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特にすることもない休日、一週間の疲れをとるかのように昼過ぎまで寝てしまい、起きてケータイを見ると彼から連絡が来ていた。

『次いつ会える？』

受信した時間を見ると6時前で、仕事なのだと思ったら彼がどれほど多忙なのかが分かった。

彼の事は気になるが、自分から調べて知ってしまってはいけない気がしている。

この距離感でいなければ、寂しさを紛らわすため、という理由以外でも彼に会いたくなってしまうのではないかと思い怖かった。

色々と考えてしまったら返信するのがめんどくさくなり、結局返さず休日が終わり週が明けた。

それからしばらく経ち、押し付けられた仕事で残業になった夜、なんとなく彼が頭によぎり、返信していなかった『次いつ会える？』という文に『今日』とだけ送り残りの仕事を片付ける。

終わりが見え始めた22時前、メールを見たであろう彼から電話がかかってきた。

『もしもし、今どこ？』

「あー、仕事」

『残業？』

「まあそんなとこ。でももう終わる」

『外にいる』

それだけ伝えると切られた電話に、いくら年下でも淡白なところは男の子だな、なんて思いながら、そういえば彼があまり外に長いこといられない事を思い出し、急いで終わらせて会社を出た。

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