アメリカーノ (ページ24)

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「すぐ会いに来ればよかった」

「なんで来なかったの？」

「俺も自信無かったから」

自信たっぷりに笑う蓮にこの言葉は似合わないな、なんて思うがそれでも逃げずにぶつかってくる所が彼らしいなと思う。

「…蓮、ありがとう」

届かぬ想いだと思っていたこの気持ちも、蓮のおかげでそれが間違いだった事に気付き大きな一歩を踏み出す事が出来た。

きっとこれからも蓮に引っ張られていくんだろうなと考えたら、年上としてはしっかりしなきゃなと思う。

「俺が電話出れなくても寂しくないように、合鍵」

と言って机に置くと私を抱えて寝室へ連れて行く。

「寝室の場所まで知ってるんだ」

「重かったから降ろしたくて」

「ひどい！」

「でも結局Aさんが離してくれなかったからそのまま連れて帰っちゃった」

「可愛く言えば許されると思うな、」

私に可愛げが無いのだから蓮にあっても良いんだろうけど。

私をベッドに優しく降ろす蓮とこれから始まる行為に、恋人同士になった事を自覚したら急に恥ずかしさが込み上げてきた。

「何恥ずかしがってんの」

余裕そうに笑う蓮はいつにも増してカッコイイ。

「今日からちゃんと恋人としてエッチが出来るんだね」

「そういうのは、言わないの」

「ふふ、可愛い」

可愛いところなんて一つもないのに彼がそう言ってくれるから、それでも良い。

始まったばかりの関係でも、私を救ってくれた蓮は私にとってきっと一生大事な人なんだろうなと思った。

どんな事があっても好きだと言ってくれる彼の事を信じようと思う。

fin.