dependence.

41 ページ42

.






「ねえ、永瀬と仲直りしなって、」

「別に喧嘩したわけじゃないし、」

「いつまで意地張ってるの」



永瀬も機嫌悪いしさー、というミナちゃんの言葉は右から左に受け流した


あの光景を見てから一週間
季節も本格的に夏に変わって容赦なく肌に日差しが照りつける



廉とは口を聞いてない、それどころか目すら合わせてなくて


その原因は全て私が廉を遠ざけているからで、廉は意味が分からないとでも言うようにここ最近ずっと不機嫌だ


私だって廉と話せるなら話したいし傍にもいたい、でも一度張ってしまった意地を曲げるなんて私にはできなくて


それにあの日のことが頭にこびりついて離れない。嫌なことばっか記憶に居座って、忘れたくても忘れられなくて



「また難しい顔しとる、」

「紫耀……、」

「はよ、仲直りせんと」



紫耀はどこまでも優しい、あの日だってずっと傍にいて抱き締めてくれた



「廉のこと、もうちょっと信じてあげてもいいんちゃう？」



これ以上何を信じればいいんだろう
廉の言葉を信じた結果がこのザマだ



"そばにおるから、"



きっとこの言葉は廉の本当の気持ちだったんじゃないか、って私達は通じあってるんだ、って



信じてた、廉を



こんなことになるなら好きと伝えてしまえば良かった、ずっと廉の手を繋いでれば良かった



ねえ廉、私どこで間違えたかな


どうすることが正しかった？



「……私にはもう分かんないよ……、」





.

42→←40

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す