幻神【原神】【七神】 (ページ6)

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6話ページ6

ー？？？ー

「パラノイア様」

広く、無難な彼女の執務室に唯一の従者であるロットの声が響く。

そして、当の本人であるパラノイア…ことAは部屋にポツンと置かれた大きな机に突っ伏している。

…どうやら、眠っているようだ。

「パラノイア様、起きてください」

『ん…まだ、あと3年…』

「3年と言って貴方は30年眠るでしょうが」

そう言って無理矢理起こそうとするロット、それにAは嫌々と反抗する。

今まで眠っていたAの髪は一部跳ねていたので、ロットが櫛でとかす。

「パラノイア様、今回はどのような事を？」

『あ！よく聞いてくれたね、ロット。
実は、実験中の霧をテイワットにばら蒔いてみたんだ！』

まるで、宿題を終わらせた幼子が褒めて！と言っているものに似ていて、ロットは「はいはいそうですね」ととかし終わってサラサラなAの髪を崩さないように撫でる。

そこで、ロットは思い出したかのように不意に声を出す。

「あ、」

『ん？何かあった？』

「水神フォカルロスと、草神マハールッカデヴァータが完全にこちら側に渡りましたことを、ご報告致します。」

『！意外と早かったな…あと100年ぐらいかかると思っていたんだけれど…』

そう言いながらAは立ち上がる。

いつの間にかあった、机の隣の衣装ケースから外出用の服を選ぶ。

『今日はどこの服を着ていこうかな…』

そして、モンドの服を見ながらある少年がいたのを思い出す。

『(あの“空”って子、面白そうだなぁ
からかいがいがありそう…)』

結局、服はモンドの服装に決まり、Aは執務室の扉を開けた。

そこには廊下はなく、広々とした野原に寝転がるフォカルロスとマハールッカデヴァータを見つけ、声をかける。

『やぁ二人とも、今までご苦労様。
これからは、このパラノイアの治める天界“メシア”で楽しく過ごしてね！』