5話 ページ5
「ふ〜、うまかったぞ！」
「じゃあ、また明後日」
「ああ！またよろしくね」
もうそろそろ外が暗くなってしまうので今日はお開き、明日はユーリの都合があるらしく、会うのは明後日となった。
満腹なパイモン、霧の事を考える旅人、そしてなぜか上機嫌なウェンティ
パイモンはその上機嫌に気付きウェンティに話しかける。
「おい吟遊野郎、どうしてそんなに嬉しそうなんだ？
…あ！リンゴ酒を飲んだからか？」
「惜しい！半分正解なんだけどね」
自信満々で言ったパイモンの予想を惜しいと即答され、パイモンはう〜…と悔しそうにする。
が、ウェンティはそんなことを気にせず、少し先を歩いていた旅人の前に走って止まる。
「ねぇ、旅人、このテイワット大陸に“七神以外の神がいる”って、知ってた？」
「…天理の調停者じゃなくて？」
「今ボクがそんなこと言うと思う？」
「吟遊野郎ならやりかねないぞ…」
「えぇ〜、信用薄いなー…」
そう言われたウェンティは口を尖らせ拗ねる。
旅人は、なぜウェンティがそのような話をしだしたのか、それがどんな神なのかを考える。
「(どうして今このタイミングで？
もしかして、この霧の現象と関係してる？
しかも、何処の国にいるんだろう…)」
旅人の頭に浮かび上がるのはハテナばかり、百面相を始めた旅人を見て、ウェンティは面白そうに笑った。
「あはは！旅人面白いね！
ね、今のもう一回して？」
ウェンティは旅人をからかい始める。
けれども、旅人はそれに流されずウェンティに聞く。
「ウェンティ、なんでその神の話をしたの？」
「ん？何故かって？それは…」
ウェンティは遥か彼方に見える星々に、届かないと分かっていながらも手を伸ばす。
旅人とパイモンは不思議そうにウェンティを眺める。
ウェンティは少し笑いながらこちらを向いてこう言う。
「…それは、
“彼女が幻と生命を象徴する神だから”
だよ」
「幻…」
「それってつまり…」
旅人は、何かに気づいたようだ。
ウェンティは珍しく真面目な口調で話した。
「賢い君ならすぐ分かるよね。
そう。今回の霧の元凶は、
“彼女で間違いないと思うよ”」
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作者名：こむぎこ。 | 作成日時：2024年2月22日 22時
