私、悟お坊ちゃまの “元” 専属メイドです。【呪術廻戦】

第54話「不屈のメイド」 ページ10

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「A。また死にたくないなら暫くお口チャック」

「あっハイ！」



ミッ○ィー了解！

彼はじっと私を見て何かを考えていた。そしてチラッとボンヤリおじいちゃんの方を見て、ようやく納得したように頷いた。



「下手に移動させるより僕の側の方が確実だな。乗って」

「………え？」



「おいで。負んぶしてあげる」



咄嗟に出た呟きに気付いて口を両手で塞ぐ。彼はそれに気にした様子もなく私の前で背を向けしゃがんだ。


え？マジ？
もしかしてお坊ちゃま、私を抱えたまま戦おうとしてる？



「何だ？邪魔な荷物を抱えながら儂と一戦交える気か？」

「………」

「ハイハイ一々気にしない。はーやーく」

「………」



お口チャックを守りながらボンヤリジジイを睨みつつ、言う通りに彼の背に乗っかる。



「君って割と重いんだねえ」

「………」

「何か言いたげだね。許可しよう」

「………毎日白米3杯ごっつぁんしてたんで」

「タダ飯だからって容赦なく食い荒らすなよ」



「いやもう過去の話だから別に良いんだけど」と人一人負ぶった状態でなお余裕そうに喋るお坊ちゃま。

だって君ん家のご飯めちゃくちゃ美味かったし。そして作ってたのは何を隠そう私たち使用人ズである。自画自賛。



「舐めた真似をしてくれる」

「君こそこっちの茶番を黙して見守ってくれるなんて、随分余裕だね」

「足手纏いを自ら抱えて挑むような阿呆、警戒する価値も無いわ」



だってよお坊ちゃま。君ってば言われ放題だね。

そんなこと言ったら直ぐさまマグマとこんにちはする羽目になるので黙った。



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