第82話「おはなしころりん」 ページ46
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私のほっぺをぐにぐに引っ張りながら、彼は何気無しに問う。
「君の帰る場所はどこ?」
_____ それは、
「無くなったって言ってんじゃん。お坊ちゃまもしかして記憶力無い系?ぷーくすくす」
「そうだね。君みたいに察しの悪い子はこうやってウリウリして屈服させて泣き噦りながらごめんなさい許してくださいって言わせたい系」
「あ"ーーーッすぐ暴力に訴える!!野蛮人!!昔から大して変わらないのはそこだけか!!!」
ぐぎぎぎぎ、とコブラツイストを極められ必死に抵抗するけど復帰不可。
この足の長さ何ーー!?私の股下3センチくらいしかない幻覚が見える。痛みで少しラリってきた。
「でも昔から仲良さげな先生の記憶はトんでないんだね」
「この子僕のこと大好きっ子だから」
「い、……昔からその綺麗なお目目は好きだったよ」
否定しようとしたけどやめた。
別に嫌いじゃないしどちらかと言わなくても普通に彼のことが好きだ。
だって守ってくれたし、何よりお菓子たくさんくれたから。
そしたらぺっと解放された。
「なら、君は何処にいたい?」
彼はまた問う。
帰らせたいのか居させたいのか、結局悟お坊ちゃまは私をどこへやろうとしてるのか分かんないな。
分かんないから、私は素直に口を開いた。
「君の側にいたい」
君の近くが一番安心出来た。
この世の誰よりも君の側が落ち着いた。
だから心の声に従って、私は正直に言葉を紡いだ。
悟お坊ちゃまはニヤリと口角を上げる。
「ようやく言ったね。なら」
「でもダメだ、君と私の関係は解消されたから。君の従者じゃないなら君の側にいられない。
ハローワークにでも行こうかな、自分の居場所探しに」
その瞬間、景色が変わった。
そして背中から思い切り地面に叩きつけられる。
鮮やかな一本背負い。
「ゴブェ!!」とゴブリンの断末魔みたいな叫びを上げた私は受け身すらとることが出来なかった。
「君が悪くないのは百も承知だが、こればっかりは僕もちょっと、心の声に従ってみた」
従って一本背負い極めるような心ならもうとっくに腐ってると思うの。
「正直に白状したんならもうそこで止まれよ、本能の赴くままベタ足でアクセル踏むなよ」
「お"、だ、だって私、足浮かせてブレーキ踏むタイプですん"」
「運転席にチャイルドシート装着させてやろうか」
しんど過ぎる。バブゥに運転させるくらいなら君の足の長さを活かせよ。
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sou(プロフ) - はじめまして!!読み始めたばかりなのにもうこんなにも進んでしまいました!!基本的に夢小説でのギャグ系苦手なのですが、こちらすっごく面白くて!!これからも最終章行ってきます! (2022年2月11日 16時) (レス) @page50 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
巫礜 - 2章完結おめでとうございます!!とても面白くて一気に読んでしまいましたー!3章も楽しみに待ってます!無理せず頑張ってください!応援してます!! (2020年11月29日 23時) (レス) id: af56b806d8 (このIDを非表示/違反報告)
き(プロフ) - 完結おめでとうございます!今回も楽しく読ませて頂きました!展開に置いてかれる悠仁がちょっと面白かったですw3章も楽しみにしてそれこそ犬のように待ってます!! (2020年11月29日 13時) (レス) id: c55596aced (このIDを非表示/違反報告)
呉羽(プロフ) - 2章完結おめでとうございます!いつも通知が来るたびワクワクしながら開かせてもらってます。これからも応援してます!では、お体に気を付けて。 (2020年11月29日 12時) (レス) id: cfabc7c0e0 (このIDを非表示/違反報告)
レミリア(プロフ) - 第2章の完結おめでとうございます。いつもはぁはぁ息を荒くしながら見させて頂いております(キモい)第3章も楽しみです! (2020年11月29日 10時) (レス) id: 0a87aae102 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Nny。 | 作者ホームページ:
作成日時:2020年11月23日 1時