私、悟お坊ちゃまの “元” 専属メイドです。【呪術廻戦】

第49話「今昔反転」 ページ5

.



「……………あの、なん、今なんて？」

「二十年経ったの。あれから、僕は君の言う「お坊ちゃま」から28の大人になった」

「嘘だ！！！！！」



いやいやいやいや、と首を横に振った。

「いや本当なんだって」と近付いてくる不審者(自称悟お坊ちゃま)に「動くなそれ以上近付くな！！！」と警戒心丸出しの野良猫のようにシャーッ！！と威嚇する。


あり得ない。二十年って、というかあの悟お坊ちゃまがそんな、そんな夢みたいなお伽話みたいなそんな話あります！？



「うそ、嘘だ、デタラメだ！大体それが事実ならお坊ちゃまキャラ変し過ぎでしょ！！昔のクソ生意気でつっけんどんな態度どこ行ったの！！なんでそんな、胡散臭い上にまあまあ稼いでそうな人心掌握系性悪詐欺師みたいになっちゃったの！！？」

「うん、あのさ、言いたい事すっっっごいあるけど、とりあえず言いたい放題言うのやめてくんない？」

「私が殺されたの、ほんとに、数十分前くらいなのになんでそんな、」

「………数十分前？」

「大体なんだその趣味、趣味？」

「え、この目隠しのこと？」

「悟お坊ちゃまが、あの悟お坊ちゃまがこんな、得体の知れない変質者になるなんて……！！！」

「誰が変質者って？？？」



「性悪詐欺師とか聞き捨てならない事言った上に僕の質問全無視とか何様？？」とほっぺを無遠慮に引っ掴みぐぃぃーっと引っ張る不審変質者。

バカバカふざけんな、私のほっぺは際限なく伸びるお餅じゃねーんだぞ！！！



.

第50話「慟哭」→←第48話「可笑しなお話」

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す