第48話「可笑しなお話」 ページ4
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「A。僕のことが分からない?僕は君の事、結構根深い処まで知っているのだけれど」
何処か明るい声で問いかけられ、目をぱちぱちさせて彼の言葉を脳内で反芻する。
「私の知り合いに不審者はいないんすよね、あと気付いてほしいんならさっさと名乗れよ何を勿体ぶってんだ」
「は?」
「あでででだだだ!!!」
掴んでた腕をゴリラ並みの力で握ってきやがったこの不審者!!
おいマジでこの不審者理不尽野郎、めちゃくちゃ暴れてやるぞと決意を固めたその時、彼から出された言葉に動きが止まった。
「五条悟」
「____は?」
「五条悟、だけど」
その言葉を聞いて、一瞬意識がパーンってトンだ。
ちょっとの時間、呆然としながら彼の顔を見つめる。彼はゆっくり目隠しを下げる。
現れたのは蒼の双眸。恐ろしく綺麗な瞳は、私を真っ直ぐ見つめていた。
よく分からなくなって、脳内がぐるぐる掻き回されたように纏まらなくなって、不自然に目が泳ぎ頰に汗が伝った。
「え、っと……うんと、えっと……」
「良いよ。君の頭の回転の遅さは知ってる。ゆっくりでいいから、少しずつ、確実に理解して」
優しい(?)言葉に、少しだけ疑問が生まれる。
「……ゴジョウ、五条さとる……さとる……悟、お坊ちゃま?」
「、うん」
途端に、彼は嬉しそうに小さく笑って頷いた。
そして私はそんな彼の胸倉を引っ掴み、力任せにぶん投げた。
「うわっ!」
「悟お坊ちゃまの名を騙るなこの不審者真っ黒男!!私の知ってる悟お坊ちゃまはこんな胡散臭い雰囲気出さないしそんな話し方しない!!
それにそれ、成長期どうなってんだ!!!」
非常に憤りを感じた。
ぶん投げられたのに普通に「よっと」と華麗に着地する不審者に余計怒りが湧いた。
私が会いたいのはクソ生意気で大人より大人びたとても綺麗な目をしたクソガキ!!お前みたいな真っ黒不審者、いやでも確かに綺麗な瞳はソックリだけど、だけど、違う、でも………でも、よくよく見ればなんとなく似ている気がする。
でもそれならおかしい。私と彼が離れ離れになって少ししか経ってないのに
そんな私の疑問を察したかのように、彼は
「二十年。君が死んで不思議な事にこの世から完全に消え去ってから、二十年経ったんだよ。A」
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sou(プロフ) - はじめまして!!読み始めたばかりなのにもうこんなにも進んでしまいました!!基本的に夢小説でのギャグ系苦手なのですが、こちらすっごく面白くて!!これからも最終章行ってきます! (2022年2月11日 16時) (レス) @page50 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
巫礜 - 2章完結おめでとうございます!!とても面白くて一気に読んでしまいましたー!3章も楽しみに待ってます!無理せず頑張ってください!応援してます!! (2020年11月29日 23時) (レス) id: af56b806d8 (このIDを非表示/違反報告)
き(プロフ) - 完結おめでとうございます!今回も楽しく読ませて頂きました!展開に置いてかれる悠仁がちょっと面白かったですw3章も楽しみにしてそれこそ犬のように待ってます!! (2020年11月29日 13時) (レス) id: c55596aced (このIDを非表示/違反報告)
呉羽(プロフ) - 2章完結おめでとうございます!いつも通知が来るたびワクワクしながら開かせてもらってます。これからも応援してます!では、お体に気を付けて。 (2020年11月29日 12時) (レス) id: cfabc7c0e0 (このIDを非表示/違反報告)
レミリア(プロフ) - 第2章の完結おめでとうございます。いつもはぁはぁ息を荒くしながら見させて頂いております(キモい)第3章も楽しみです! (2020年11月29日 10時) (レス) id: 0a87aae102 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Nny。 | 作者ホームページ:
作成日時:2020年11月23日 1時