私、悟お坊ちゃまの “元” 専属メイドです。【呪術廻戦】

第59話「おやすみ日和」 ページ15

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「簡単に言うと、当たってない」



簡潔すぎて訳がワカメのお味噌汁。

ボンヤリジジイも狼狽したように半歩後ろに下がって構えの体制を取る。
そしてどうやら私の耳も完治したのか、若干の不快なノイズが消えてスッと音が入ってくる。


視界もクリアになったようだ。
ボンヤリとした幻影みたいだったジジイの姿が、はっきりと見える。



「馬鹿な、さっきとはワケが違う。儂は確かに触れて殺した」

「君が触れたのは、僕たちとの間にあった「無限」だよ」



あっこれ、絶対眠くなるやつ。

睡眠体制取っとこ。そう思い、若干落ちかけてた身体を動かし悟お坊ちゃまの身体をよじ登るように体勢を整え、彼の肩を枕代わりにして目を閉じる。



「教えてあげる。手を出して。ほらAも」

「は？」



は？



急に呼ばれて目を開ける。

お坊ちゃまは前を見たまま、「ほら、手」と言ってくるが待って、何をさせようとしてんの？



「な、何？イタイケな乙女に何させようと？」

「アハハ、敵と交戦中にオトモダチ置いて寝ようとする馬鹿がいたいけな乙女な訳無いだろ」

「あっバレてたの……？」

「耳元で寝息が聞こえた時は流石の僕もちょっとぶん殴ってやろうかって思っちゃったよ」



ごめん、だからその、めちゃくちゃ力が篭った握り拳見せつけないで。振り下ろす動作もしないでごめん。ガチやん。

呆気に取られてんじゃん目の前の敵。「なんでこいつらさっきから呑気な掛け合いしてんだ」みたいな感じで見てきてるじゃん。



…………あれ？もしかして全部私が悪い？



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