第57話「力の差は歴然」 ページ13
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「身を呈して庇ってくれたのは感謝する。でももう必要無い、僕は君に守られるほど弱くはないから」
「君の、盾になるのが、私の役目だよ」
「君はもう僕の従者じゃないだろう」
なんでそんな突き放すようなことを言うの。
がんがん痛む頭を押さえようにも悟お坊ちゃまにしがみ付くので精一杯。しまった盾の役目が一瞬で終わった。あとはマジであのジジイに特攻しかけて命を散らす他ないな。
耳からじわじわと何かが流れ出した。ああこの感覚、昔に味わったことがあるとぼんやり考える。
いつでもこの感覚は不愉快以外の感情が湧かない。
「………私が好きで、してるんだよ」
だって私は君の友達なんだから。
忘れたとは言わせないよ。君と私はお友達。
君が傷付くのは嫌だから私だって盾になるよ。痛いのめちゃくちゃ嫌だけど。
でも何度も生き返ったんだ、不死身の意地を見せてやる。
「………は〜〜〜、これだから馬鹿で考え無しのお人好しは。こっちの身にもなれってんだよ」
「聞こえてる聞こえてる……」
「聞こえるように言ってんの。大方、天与呪縛の「治癒能力」を信じて僕を庇ったんだろ?」
「私、不死身効果のバフ、受けてるから」
「まさか実際その通りだとは夢にも思わなかったけどさ」
落ちかけた足を取って、悟お坊ちゃまは「よいしょ」と持ち上げて背負い直してくれた。不甲斐ない。
グッタリしてたのも束の間、耳鳴りが消え頭の痛みも引いてきたので顔を上げる。
「この程度でくたばりかけるような弱者、お前に最後まで守り切れるか?」
すぐそこに、私の目の前に、火を纏った拳を振り上げるジジイが迫っていた。
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sou(プロフ) - はじめまして!!読み始めたばかりなのにもうこんなにも進んでしまいました!!基本的に夢小説でのギャグ系苦手なのですが、こちらすっごく面白くて!!これからも最終章行ってきます! (2022年2月11日 16時) (レス) @page50 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
巫礜 - 2章完結おめでとうございます!!とても面白くて一気に読んでしまいましたー!3章も楽しみに待ってます!無理せず頑張ってください!応援してます!! (2020年11月29日 23時) (レス) id: af56b806d8 (このIDを非表示/違反報告)
き(プロフ) - 完結おめでとうございます!今回も楽しく読ませて頂きました!展開に置いてかれる悠仁がちょっと面白かったですw3章も楽しみにしてそれこそ犬のように待ってます!! (2020年11月29日 13時) (レス) id: c55596aced (このIDを非表示/違反報告)
呉羽(プロフ) - 2章完結おめでとうございます!いつも通知が来るたびワクワクしながら開かせてもらってます。これからも応援してます!では、お体に気を付けて。 (2020年11月29日 12時) (レス) id: cfabc7c0e0 (このIDを非表示/違反報告)
レミリア(プロフ) - 第2章の完結おめでとうございます。いつもはぁはぁ息を荒くしながら見させて頂いております(キモい)第3章も楽しみです! (2020年11月29日 10時) (レス) id: 0a87aae102 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Nny。 | 作者ホームページ:
作成日時:2020年11月23日 1時