「黙れっつってんですよ」 ページ35
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しかし笑いながら睨むのってかなりの高等技術だと思う。
「だってホントに気になるし。私の何を気に入ったの？あの人潔にメチャ執着してるし私なんて女らしさのカケラも無いし、もしかしてカイザーさんってホ＊だったり」
ゴッッ！！と、私の顔のすぐ横に拳が振り下ろされ机が揺れた。ネスさんの顔を見ると額にクッキリと青筋が浮かび上がっている。
「うるせえから黙れっつってんですよ。大体そんなの僕が一番聞きたいくらいだ。こんな少し顔が良いだけの野蛮で暴力的で女としての魅力が一切無いメスゴリラに求愛するなんて、何度考え直してくれないかと思ったか」
クッッソ悪口だけど大体合ってるわ。
久々にちゃんとしたディスを貰い思わず顔を上げた。
「それでも、崇高で聡明なカイザーが選んだのですから……僕の意見など関係無い。彼の意向に従うまでです」
「ネスさんはアレですか、もし好きな女の子がカイザーさんと被ったら進んで身を引くタイプだったりしますか」
「はぁ？」
「「己が尊敬する人と好きになった女性が両方幸せになるのなら喜んで退くし祝福する」とかそんなクッセェ事マジに言えたりするんですか」
「……何が言いたいんです」
「そういうの「負けヒロインムーブカマしてる」って言うんですよ」
初めてネスさんの顔が笑みを崩し、不可解だと言わんばかりに歪んだ。
「頓珍漢な物言いやめてもらえます？」
「つーかネスさんってカイザーさんが報われない恋に翻弄されて踠いてる姿を見てられるんですか」
「そんなのあってたまるか！！カイザーが報われない事なんてある筈が無い！！！」
報う気無えんだわ私は。
「マジでさぁ、そう思ってんからさぁ……考え直せって言ってくれないですか。アンタ変にハイになってるだけだって。簡単に人ぶん投げるし素手で物破壊するし電流でしか止められない害獣のようなとんでもねー女をなんで好きになったんだって言えよ」
目の前に置かれた本をズズ、とネスさんの方へ押す。読む気は更々無い。
「そうですね、確かにその通りです。近い将来猟師によって撃ち殺されるかもしれないバケモノを好むなど、まるで珍妙な動物を愛でたい奇妙な愛好家のようなものです」
「そうそう」
「そうカイザーに言えたのなら苦労しないんですよ！！！！！」
「情緒ヤッッッバ」
机をバァン！！！と叩き吐き捨てるネスさんに思わず引いてしまった。
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シナモン - とても面白かったです‼士道最高でした‼ (11月23日 10時) (
レス) @page36 id: 8b3e9c667d (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - いつまでも応援してます (10月28日 18時) (レス) id: 76125fe83b (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - 面白かったです！！すごく！文才を感じました！ 是非また更新してくださると嬉しいです！！ 応援してます！ (7月27日 1時) (レス) @page36 id: c33439ae2b (このIDを非表示/違反報告)
羽鶴(プロフ) - もしかして更新終了してしまいましたか…？ (6月23日 23時) (レス) @page36 id: fcd2bda98b (このIDを非表示/違反報告)
ペペのん - え……お…終わり!?でも､この作品とっても面白かったです!! (6月23日 18時) (レス) @page36 id: 97854132f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nny。
| 作者ホームページ：
作成日時：2023年3月23日 0時
