「オシャが際立つな」 ページ27
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ホント美容院みたいに喋ってるし髪触られてる。
「絶対アンリさんの負担ヤバいだろうな……手伝いに行きたい……なんで私はこんなところで髪触られてるんだ」
「珍しくネガティブな状態だな。この 俺 が陰気な雰囲気を吹き飛ばしてやろう。見ろこのオシャな動き!」
「(スルー)陰気にもなるよ、アンリさんまで仕事と育児(不乱蔦さんの対応)に追われてとんでもないストレス抱えなきゃ良いけど」
「お前は何もかも抱え過ぎだ。少しは頼る事を覚えたらどうだ」
「選手に頼めないだろ。職務怠慢になる」
「それなら…………確かにアレには無理だな」
分かるだろ。
「アレ」で通じちゃったけどあのブリブリちゃんには頼らないだろ。ポッキー並の頼り無さだから少しでも凭れ掛かったら終わりだろ。
「(まあ私の指導不足の所為なんだろうけど)」
「出来たぞ」
そう言われ、鏡を見るよう言われ見てみるとあら素敵。
「スゴイ、こりゃまたオシャレな三つ編みだこと」
「編み込みアレンジ付きだ。だが簡単に解けないよう固く結んである。これで一層オシャが際立つな」
「ちょっと失礼」
スクリと立ち上がり、机の横の空いたスペースに移動。
そしてその場で勢いよく宙返り。助走無しのバク宙である。
「スゴイ、解けてない。お前は天才か」
「突然バク宙してどうした、オシャどころの騒ぎじゃないぞ」
おっかなビックリな様子の蟻生だけど別にトチ狂った上での行動ではないから安心してほしい。
「ゴメン強度を試したかった。これなら普段の業務中に外れる事はなさそう」
「もっとマシなやり方もあった筈だ」
「ホコリ舞ったしな」
「……すまないA、下着が見えてしまった」
「これ見せパンだから大丈夫」
深刻そうな顔して申し訳無さそうに告げた蟻生に首を横に振る。別にパンチラくらいどうだって良い。
「良くないだろう。簡単に言うんじゃない、お前は乙女の自覚をもっと持つべきだ」
「すげ〜急に淡々と怒るじゃん」
お父さんかな。
丁度ブザーが鳴った。「もうそんな時間か」と蟻生は立ち上がった。
「ではまた、今度は違うオシャを試させてくれ」
「ハイハイ」
私に施した三つ編みの先をそっと摘み、キスを落とした蟻生。
ギザだなぁと思いながら、やはりキラキラと輝く背景を背に去っていく蟻生の後ろ姿を見つめていた。
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士道出たね。
士道出たね〜〜〜!!!(ニッコリ)
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シナモン - とても面白かったです‼士道最高でした‼ (11月23日 10時) (レス) @page36 id: 8b3e9c667d (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - いつまでも応援してます (10月28日 18時) (レス) id: 76125fe83b (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - 面白かったです!!すごく!文才を感じました! 是非また更新してくださると嬉しいです!! 応援してます! (7月27日 1時) (レス) @page36 id: c33439ae2b (このIDを非表示/違反報告)
羽鶴(プロフ) - もしかして更新終了してしまいましたか…? (6月23日 23時) (レス) @page36 id: fcd2bda98b (このIDを非表示/違反報告)
ペペのん - え……お…終わり!?でも、この作品とっても面白かったです!! (6月23日 18時) (レス) @page36 id: 97854132f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Nny。 | 作者ホームページ:
作成日時:2023年3月23日 0時