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「そんな事よりぃ、ドリンク持ってっちゃってくださぁい♡」
ニコニコしながら私に背を向け前に立つ不乱蔦さん。
別にそんなんしなくても大丈夫なのにと思いながら全く動かない凛を見た。同時に彼女も凛を見る。
「ねえねえ、君は要らないの?今なら私が渡してあげるよ?」
「あ?」
開口一番にキレ散らかしてるじゃん凛。いつも通りなのはこっちもだな。
しかし不乱蔦さんは怯まない。凛に近寄りニッコリ笑みを浮かべる。
「麦茶?お水?それともスポドリおかわりするっ?」
「近寄んなブス」
「え……えぇ〜、何でそんな事言うのぉ??」
鋭利な刃物のような凛の一言に一瞬たじろぐ不乱蔦さんだったがすぐに笑みを取り戻した。ブリブリのプロ根性凄いな。
「おい凛!そんな言い方ねえだろ!」と潔が嗜めるように言うが凛はデッカイ舌打ちを返す。高一らしい見事なクソガキで可愛いな。
すると凛が私の方を見た。
しかし何も言わないので首を傾げるとチョイチョイ、と手のひらを上にして手招きされた。
「お呼びかね」
「……ん」
近くに寄ると何故か目を逸らしながらスポドリボトルを差し出す凛。
小声なのは分かるけど何で目を逸らす?
「かしこまりました、ご主人様」
ふざけ半分で恭しい態度で頭を下げれば凛はチラッとこっちを見たけどまたそっぽを向いた。舌打ちは聞こえてないからセーフだな。
ふと横を見れば私たちを見る多数の目。つーか全員。
「えっ、えっ?何今のやり取り。何今のやり取り!?!?」
「凛お前どした!?とうとう頭イカれた!?!?」
「エ〜〜〜この人とどういう関係なの凛くん!!」
「フゥ……流石の 俺 も気になるぞ、糸師凛。答えてくれ」
「うるせぇ
その一言で黙らせるには無理があるだろ。
と思ったら途端に4人の目がこっちを向き今度は私の元に来た。おいおいおい。
「オシャメイド。クールな糸師凛の代わりに貴女に問う事としよう」
「あの、凛とどういう関係ですか!大っぴらに出来るような関係ですか!?」
「カレカノだったりすんの〜〜!?!?」
「あああ無理強いはしたくない、けどでも知りたいって気持ちも凄くあるというか……!」
「幼馴染だけど」
凛から貰ったボトルにスポドリをぶち込みながら平然と返せば部屋の中がシンと静まり返り「なんだ〜」とガッカリしたような声。
そしてゴン!!と何かをぶっ叩く音が聞こえた。
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シナモン - とても面白かったです‼士道最高でした‼ (11月23日 10時) (レス) @page36 id: 8b3e9c667d (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - いつまでも応援してます (10月28日 18時) (レス) id: 76125fe83b (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - 面白かったです!!すごく!文才を感じました! 是非また更新してくださると嬉しいです!! 応援してます! (7月27日 1時) (レス) @page36 id: c33439ae2b (このIDを非表示/違反報告)
羽鶴(プロフ) - もしかして更新終了してしまいましたか…? (6月23日 23時) (レス) @page36 id: fcd2bda98b (このIDを非表示/違反報告)
ペペのん - え……お…終わり!?でも、この作品とっても面白かったです!! (6月23日 18時) (レス) @page36 id: 97854132f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Nny。 | 作者ホームページ:
作成日時:2023年3月23日 0時