「グゥ……」 ページ2
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首輪と鉄格子と生活感の無いカスみたいな部屋。ベッドはまあまあ立派。
隣の部屋には机が一つ、だけどイスは二つある。あと壁にバカデカい鏡。アレが一番理解できない。
「え?ブルーロックに勤めるバイトって途中から著しく人権を失うんですか?」
【逆に聞くけど素手でコンクリート床に穴開けてイスを粉砕するバイトにそんなもの存在すると思う?】
「グゥ……」
【そんな君に立派なお勤めを授けよう】
奴曰く、暫くの間私はここから出られないと。
簡単に言っておいてかなり法律に反している事に気付いているのだろうか。否、気付いている筈だ(反語)
因みにここにいる間、私の仕事は全てアンリさんが対応してくれるらしい。彼女が過労で死んだら私のせいだな。
【喜べ。お前のような暴力でしかコミュニケーションが取れない野蛮なチンパンジーにでも出来る仕事だ】
「チンパン喜んでふて寝するわ。お休み」
次の瞬間、腕からバチィッ!!と強烈な痛みが走った。
「ったァ!!」と叫んで仰け反り、すぐさま両腕を見る。いつの間にか腕にも何かしら装置が付けられているではないか。
「おいまさかこれ」
【説明しなくても伝わるだろ】
「確かに労基に駆け込めば言葉にせずとも伝わギャッ!!」
バチッ!!と両腕が爆ぜるような痛みが走る。おいマジかよ!!
【本題入ってイイ?】
深淵を覗いてるような真っ黒な目。手には私の腕に付けられた装置の作動釦が握られている事だろう。思わず口を噤む。
【とりあえずAちゃんにはそこで原石共のカウンセリングを行ってもらう】
「ア?」
【返事は「はい」一択だ。分かった?】
無言を貫く。……と思ったけど黙って手を上げた。ちょっとした抵抗の意味もある。
【なんだ】
無言のまま手を上げ続ける。
意図を察した絵心さんが軽く舌打ちをした。
【発言を許可する】
「この部屋隠しカメラとか無いよね」
【無い】
「なら良いよ、「はい」」
もう何でも良いわ。痴態も生き恥も晒しまくって開き直ったAさんは強いよ。
イスに腰掛け腕組みして踏ん反り返る。
「とりま奴らに筋肉の育て方を教えれば良いんだね」
【違えよ野蛮人黙ってろ】
「野蛮人それ以外の内容でカウンセリング出来る気がしない」
【この世にお前以外の化け物を安易に生み出そうとするな】
「え?私を等身大のゴジラか何かと思ってる?」
思ってるらしい。
うるせえ。
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シナモン - とても面白かったです‼士道最高でした‼ (11月23日 10時) (レス) @page36 id: 8b3e9c667d (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - いつまでも応援してます (10月28日 18時) (レス) id: 76125fe83b (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - 面白かったです!!すごく!文才を感じました! 是非また更新してくださると嬉しいです!! 応援してます! (7月27日 1時) (レス) @page36 id: c33439ae2b (このIDを非表示/違反報告)
羽鶴(プロフ) - もしかして更新終了してしまいましたか…? (6月23日 23時) (レス) @page36 id: fcd2bda98b (このIDを非表示/違反報告)
ペペのん - え……お…終わり!?でも、この作品とっても面白かったです!! (6月23日 18時) (レス) @page36 id: 97854132f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Nny。 | 作者ホームページ:
作成日時:2023年3月23日 0時