「ジョーダン♡」 ページ31
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気持ち悪さと本能的な嫌悪感とシンプルに死んでくれと願う気持ちが頭の中でグルグル回る。
「Aちゃんてタンポン派?あー穴空いてねえからナプキンか」と私のお腹を撫でながら目の前で楽しそうに話す士道をどう殺そうか模索する。
「……お前、ここへ何しに来た」
「Aちゃんは俺のモノだって雑魚共に分からせる為に来た」
「虚言も大概にしろ下半身に脳ミソ有男」
「ねえねえLINE教えて♡」
「無い。消滅した」
「嘘付くならもっと上手いこと考えな?」
蹌踉めきながらも立ち上がってイスに座り、デッカイ溜め息を吐き出す。
当たり前のように着いてきた士道は私の背後に立ち、バックハグのように首元に腕を垂らしきつく抱き締めてきた。
「んじゃ電話番号と住所教えて?」
「110、金髪害虫県ゴミカス市アバダケダブラ町お前マジ惨たらしく死ね564番地」
「ぶはっ、殺意クソ強国出身かよ!」
「マジウケる、何だそのセンス!」とツボにハマったように笑い出した士道。そのまま笑い死なないかな。
「っあーークッソ笑った。ハ〜〜ギャグセンヤバ過ぎよAちゃん」
「満足したなら退出しろ」
「さっさと電話番号と住所教えろよ」
「嫌だ」
私に着けられた首輪を引っ張り軽く揺らす士道。まるで縋るような言動だ。
「教えてよ、なあ、ねえって」
「(自覚してねえの怖)……電話番号だけなら良いけど」
「マジ?!」
「やった!ムリだったら他に電話番号聞いてた奴の脳天ぶん殴って無理矢理奪ってた!」と喜びながらとんでもねーこと言う士道にとうとう構うことなくペンとメモ帳を手に取った。
もう良い。私の電話番号がフリーダイヤル並みに普及されつつあるけどもう良い。
「ハイ。イタ電したら即着拒する」
「ウン!夜中にいっぱい掛けるね!」
「お前の偶に話聞いてるようでフル無視する感じ何?そういう病気?」
その時ようやくブザーが鳴った。
長かった、と息を吐く私と「ウッゼ、もうかよ」と白けた様子の士道。
「じゃあな士道。暴れんなよ」
「Aちゃん居ねえならそんなん知らね」
「オイ」
「ジョーダン♡」
手をヒラヒラさせて歩いて行く士道。そして扉の前でクルッと振り返る。
「俺が言ったこと、全部忘れんなよ」
私も手を振り返す。面倒臭さを隠さないその動作に奴は愉快そうに笑い、漸く出て行った。
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ごめん士道、暴走させ過ぎた。
後悔はしてない。
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シナモン - とても面白かったです‼士道最高でした‼ (11月23日 10時) (レス) @page36 id: 8b3e9c667d (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - いつまでも応援してます (10月28日 18時) (レス) id: 76125fe83b (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - 面白かったです!!すごく!文才を感じました! 是非また更新してくださると嬉しいです!! 応援してます! (7月27日 1時) (レス) @page36 id: c33439ae2b (このIDを非表示/違反報告)
羽鶴(プロフ) - もしかして更新終了してしまいましたか…? (6月23日 23時) (レス) @page36 id: fcd2bda98b (このIDを非表示/違反報告)
ペペのん - え……お…終わり!?でも、この作品とっても面白かったです!! (6月23日 18時) (レス) @page36 id: 97854132f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Nny。 | 作者ホームページ:
作成日時:2023年3月23日 0時