「女らしくないキモチワルイ人」 ページ37
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「カイザー、いや、ミヒャエルさんっ!なんで無視するんですか!」
ぴたっとくっ付いた不乱蔦さん。
今の今まで無視されてて怒ったのか顔が赤い。
「そんな女らしくないキモチワルイ人にばっか構わないでくださいっ!!」
その言葉に、少しだけ。
少しだけ空気が冷えたような気がした。
一瞬真顔になったカイザーさんだがすぐいつもの笑みを浮かべた。
目線を下げ、くっ付く彼女の手を見つめる。
「お前は姫騎士と違い、随分と女性らしい綺麗な手をしているな」
程良く手入れされた爪に綺麗に塗られたマニキュア。
鮮やかに彩られた艶やかな唇。
頭から流れる水滴はキチンと施されたメイクを落とさないレベルにかけられている。
___一部除けばまるで「青春」真っ只中を生きる女子高校生そのものの姿。
「さぞ自分磨きに精を出してる事だろう」
「は、はい……!そうなんですっ!今日もスッゴイ時間かけてメイクして〜」
「お前はそのまま俺の視界に入らないところで、己の身の丈にあったカスみたいなクソ男と釣り合う為の努力をいつまでも続けると良い」
彼女と目線を合わせ吐き捨てた。
頭に手を乗せ子供のように撫でてからクルリとこちらに振り返る。
真顔。怖。
不乱蔦さんは何故か呆気に取られたように立ち尽くしている。
「その子に何言った?」
「Das geht Sie nichts an. Prinzessin Ritter.」
分からず「ごめん誰か翻訳して」と背後の彼らに顔を向け頼む前に彼は私の手を掴んだ。
私の手の感触を確かめるように。
そしてどこか、扇情的に。
「Ich mag dich. Ich werde dich sicher zu meinem machen.」
私の頰に手を添えて、恐ろしい程に整った顔を近付ける。
「スイマセン」
その顔を両手で掴んだ。
「そういうの止めてください。望んでないです」
「……Und warum? Es ist eine Ehre, von mir geküsst zu werden.」
「私は恋愛ゴッコしに来たわけじゃねーんだよ」
ムカつきを隠さずそう伝え、苛立ちを押さえきれず私の頰を撫でる手を払い除けた。
「そういうのしてえんならデリ○ル呼べ」
「……Aさん、ここって呼んだらデリ○ル来んの?」
「知らん」
そんな中、顔を片手で隠し至極愉快そうに笑うカイザーさんが目に入った。
「Interessant ...... Ich gehe ran, ich verspreche es.」
やっぱ誰か翻訳してくれ。
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サキ - Ich mag dich じゃなくてich liebe dich です!後は大体あってますけどich mag とich liebe は若干意味が違うので👾気を悪くさせたらすいません🥲 (2023年3月30日 0時) (レス) @page37 id: 1baf0b6a1a (このIDを非表示/違反報告)
ひっぴー - カイザーが最後に言ったドイツ語の文章翻訳したら「面白い…答えます、約束します。」って出たんだがどういうこっちゃ。あ、応援してます! (2023年3月24日 16時) (レス) id: a528653d7b (このIDを非表示/違反報告)
紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (2023年3月19日 19時) (レス) @page50 id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
融点(プロフ) - 第1部とても面白かったです。士道とカイザー推しなのでNnyさんと一緒でした👏🏻恋愛に発展しないのも込みで本当に私好みでしか無かったです。第2部楽しみにしてます。 (2023年3月13日 23時) (レス) @page50 id: 6f6f2e1e89 (このIDを非表示/違反報告)
羽鶴(プロフ) - 爪楊枝さん» 本当。もう癖になっちゃって自分の更新サボって何回も読んじゃう。二桁行ったのでこれからも読み続ける!(読んだ回数が) (2023年3月13日 19時) (レス) @page50 id: fcd2bda98b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Nny。 | 作者ホームページ:
作成日時:2023年2月6日 20時