▼ 青い監獄に愛され狙いが出現した【ブルーロック】

「………何やってんだ、お前」 ページ29

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「マ〜〜ジでしてやられたな」


　


こんにちは。高いところから失礼します。

掃除中に不乱蔦さんに嵌められ高所に取り残されました。情報としてはこれが最も簡潔である。



廊下の鉄骨が張り巡らされたコンクリートの天井。
上に溜まっていると思われたホコリを取り除くべくバカ高脚立を使い、せっせとハタキでホコリを落としウエスで拭きあげたりしてた時にやってきたのが不乱蔦さんである。



「私も使いたいので、コレ貸してくださぁい♡」



おっ、週一の頻度で訪れるやる気がみなぎる期間に入ったのか。

「すぐ返す」との事だったのでそれなら良いよとアッサリ了承したところ、不乱蔦さん重い組み立て式脚立を頑張ってたたみ、運搬用の電動一輪車に乗せ「それでは〜♡」と消えてしまったのが1時間前である。


　


「良い加減一発くらいぶん殴っても文句言われないかな」


　


高い天井にて一言。
ポツリと呟いたところで誰の耳にも届かないことは知っている。

ここは選手用トイレ前の、建物内でも比較的天井が高いところにある場所なのである。故に監視カメラが無い。



嵌められたわ。あの子にしちゃ頭が回るじゃん？



「(さっき時計を確認した時には夜10時過ぎだった。トレーニングしてる子もいるかもだけど、大体の子達は休息に入る頃だな)」



遅い夕飯を食べてる子がいるかもだけど。
でも一介のメイドが助けを求めるのもな。


スマホは落下した時のことを考え地面に置いてある。こんなケースは考えていなかったから仕方がない。

あ〜〜あと少しで終わったのに。ここにきてとんだ邪魔が入ったよ。あの子私がこっから落ちて頭でも強く打って死んだら責任とか取ってくれるのだろうか。



あのハゲによって隠されるかもだけど、絵心さんがなんとかしてくれるかな。


　


「………何やってんだ、お前」


　


ワンチャンアンリさんでも通り掛かってくれないかと腕組みしながら首を捻っていたら下から声が聞こえた。



鉄骨に手を付け振り向けば、オレンジ色の髪が見えた。



「お疲れ様、國神」

「何やってんだって聞いてんだろ。耳付いてねえのか？」



キャラ変第二号こと國神である。
敗者復活枠から勝ち上がってからヒーローのような正義に燃える熱き青年から闇堕ちしたかのように冷酷になり、まるで別人のようになってしまった。


　


彼が辿った軌跡がどういったものだったかは知らない。
……でも彼をここまで変える「何か」があったのは事実だ。



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