▼ 青い監獄に愛され狙いが出現した【ブルーロック】

「頭に葉っぱ刺さってる」 ページ34

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「この状況何？マジで何？」

「いやこっちのセリフなんやけど」



つい先程、急に絵心さんに「今すぐバスタード・ミュンヘンのロッカールームへ行け」と言われた。

すぐ聞き直すも詳細を明かす事なくスピーカーの接続がブチ切られたのでドイツ棟を担当してた不乱蔦さんが何かしらやらかしたのかとダッシュで向かったらこの状況である。



「やっ、やだ、私、怖いぃ……っ」



「okいつもの虚言(やつ)な。ご迷惑お掛けしてすみません」

「Aさんって状況把握のスペシャリストだったりする？」



大体テンプレと化してるだろ。
流石にコレに気付かないくらい鈍感じゃない。



「てか何でAさんまでビッタビタにぬれてんの？」

「こっから一番離れた棟にいた時絵心さんに「30秒でドイツ棟に向かえ」って言われたから、流石に1キロ程離れたトコじゃ1分はかかると思ってショートカットする為に土砂降りの中森を突っ切ってきた」


　


「やべぇようちの掃除屋の“ガチ”な感じ」

「鬼ごっこしたら一瞬で俺ら全員捕まえるくらい無双しそう」

「1000mの距離を1分で？？？」

「何でこの人陸上のアスリート目指さないんやろ、秒で天下取れるのに」

「頭に葉っぱ刺さってるよ」



確かに頭に触れると葉っぱ。
さっさと取ってポケットに入れる。



「ゴメン。ぬらしたところは後で綺麗に拭き取るから、歩く時は地面に気を付けてほしい」

「人の心配する前に自分の心配しろや！！！」



ワチャワチャ始めたドイツ組。
さっきまで殺伐としてなかった？



「Aさん」



そんな時、潔が歩み寄ってきた。
いつもより纏う空気が重々しい。


　


「その人の管理ちゃんとしてください。試合後の見直しとか思考したい時に寄って来られて鬱陶しくて仕方がないんで」


　


指差した先には不乱蔦さん。



管理って何だ。
お前キャラ変したのか。

とは思わないくらい潔のサッカーに対する執念のようなエゴさは知ってるつもりなので、素直に頭を下げた。



「ゴメン、善処する」と一言。



頭から滴る水が地面に落ち点々と跡を残す。


　


「青い監獄の“心臓”は、随分と余裕が無いんだな」


　

肩にタオルが掛けられたと思えばそのまま抱き寄せられた。



「ぬれた女に心配の言葉一つ掛けられないとは」

「……お前には関係ねえだろ、さっさと失せろ青薔薇」



ピリッとしてる。

確執が凄そうだなドイツ組。他のグループはもうちょっと和やかな雰囲気なのに。



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