第34話「家庭教師のお姉さん」 ページ34
.
「悟お坊ちゃま、お勉強の時間ですよ」
「俺は消えたって言っとけ」
「そんな事言ったら私だけ晒し首です助けてください」
「それがお前の運命だ受け入れろ」
「運命は捻じ曲げるものです、失礼しま〜すヨイショ!」
「ッ!!おま、やめろお前!!」
屋敷から離れた木の上にて発見したお坊ちゃま。
太々しい態度で(そして私の命を無下にしようとしながら)寝ようとしてたので木に手を付き、勢いよく揺らした。
お前が!!!家庭教師のお姉さん(美人)から逃げ出し!!!
そしてお姉さんに「臭えんだよババア」なんて言うから!!!!その様子を見てた私が哀れんで慰めようとしたらめちゃくちゃ罵倒してきてトバッチリです!!!!
「馬鹿お前、止めろ!!……っち、」
「観念せい悟お坊ちゃま!そして化粧が崩れてパンダみたいになったお姉さんに謝るんだ!じゃないと私が平手打ち食らいそうな勢いだから!………って、あれ?」
思い切りゆさゆさしてたらふと気付いた。
上を見れば、いつの間にか中二病みたいな感じで寝てたお坊ちゃまが消えてる。
なんで?
「…………………あっ、瞬間移動」
それだ。また忘れてた。いっけねいっけね。
木から手を離す。また逃げやがったあの坊。
くるりと後ろを向いて、なんとなくぼーっと周りの景色を見て、耳を澄ました。
「………あっちかな」
私の勘はよく当たるんだ。
今度こそ捕まえてぐるぐる巻きにしてお姉さんの元へ連れてくんだと意気込み、屋敷近くの広々とした森の中を駆け回る。
背後で私が揺らしていた木が根元から折れて重い音を立てて倒れてしまったが、必死な私に知る由など無かった。
………
……
…
.
「はい、発見!!」
「うっっっぜ」
「その憎まれ口も聞き慣れた!!」
最早隠れ鬼ごっこである。
瞬間移動ですぐどっかへ消えてしまうお坊ちゃまを勘を頼りに探し出す私はマジで警察犬になれるんじゃないだろうか。
「お前マジで優秀な犬だな。生まれてくる種別間違えたんじゃねーの?」とお坊ちゃまにも言われたし多分そうなのだと思う。
.
1259人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ツナ(プロフ) - 話しの内容がすごく好きでした (2021年1月2日 20時) (レス) id: 60d9289c8a (このIDを非表示/違反報告)
腐りかけの果物(プロフ) - どうもこんばんは、見直してたら腐りかけの林檎が出てきて改めて私の名前と一致かと思いましたが私の場合果物でした (2020年12月8日 20時) (レス) id: 4dd29108fd (このIDを非表示/違反報告)
なて(プロフ) - 給料どんどん減ってくの好きです。 (2020年12月7日 19時) (レス) id: e2a15ae5f0 (このIDを非表示/違反報告)
ことこと - もう、pixivで書いてきたらどうですか・・・ (2020年12月2日 17時) (レス) id: 360ee8aa85 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 一章完結おめでとうございます!!最後泣きました!2章がどうなっていくのかが楽しみです!! (2020年11月22日 15時) (レス) id: af1bba7450 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Nny。 | 作者ホームページ:
作成日時:2020年11月15日 10時