24.君臨ビースト！ ページ26
｢見た事ない植物がいっぱいある｣
ユウちゃんも少しはしゃいでいて微笑ましい。今度彼女を労おうと決めて、前を向いて目的のものを探す。
｢──いって！｣
｢グリム、声低くなった？｣
ユウちゃんが首を傾げてグリムに聞くが、グリムも不思議そうな顔をしている。というか、今のは聞いたことがある声だ。
｢──おい。人の尻尾を踏んでおいて素通りとはいい度胸だな｣
｢ﾋｴｯ｣
あまりの迫力に怯む僕を差し置いて、グリムがなんてことない、というようにレオナさんに話しかける。
｢アンタここの管理人さん？それにしては柄が悪いような………｣
｢(おいおい何言ってんの)｣
失言とも言えるそれを、僕がハラハラとして心の中でつっこむ。
｢こちとら気分よく昼寝してたとこだってのに思いっきり尻尾踏みつけやがって。最悪だ｣
｢すみません！｣
ユウちゃんが慌ててバッと頭を下げて謝る。僕もそれに続いて頭を下げた。
｢お前……あァ、入学式で鏡に魔法が使えねぇって言われてた草食動物か。ふぅん……｣
レオナさ………レオナ先輩は、そう意味ありげに呟き、ユウちゃんのことを頭のてっぺんからつま先までじーっと眺める。
かと思えば、急に近づいてスンスン、と鼻を動かして匂いを嗅ぎ出した。
｢ヒィ……か、嗅がれている！｣
そう怯えたような声を出すユウちゃんを慌てて背中に隠す。やっぱり僕こっちに来て正解だったな。
｢……はっ。本当にちっとも魔力の匂いがしねぇ。無抵抗の相手を痛めつけるのは気がすすまないんだけどなァ｣
｢うっ、なんだかわからねぇけど、コイツに睨まれると背中の毛がゾワゾワするんだゾ！｣
｢このレオナ様の尻尾を踏んでおいてなんにもナシってそりゃねぇだろ？｣
｢あーーー、レオナ先輩落ち着いて落ち着いて！僕がなんかしますから、ね！？｣
レオナ先輩の前に出て、そう言葉を紡ぐ。後ろでポカン、としてるユウちゃんとグリムに今のうちに、と目配せする。
ユウちゃんは少し躊躇ったようだが、グリムが彼女の服をグイグイ引っ張って急かすから仕方なくと言った感じで去っていった。
｢(はあぁーーー、危機一髪って感じかな)｣
｢……お前｣
安堵の溜息を零して胸をそっと撫で下ろす僕に、レオナ先輩が声をかける。
｢ひ、はい｣
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ゆる(プロフ) - ほんとに面白いですね!続きが楽しみです!無理のない程度で更新がんばってください!応援してます! (2023年1月1日 0時) (
レス) @page27 id: 6719ad2600 (このIDを非表示/違反報告)
時雨ですな(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです！更新頑張ってください！！ (2021年6月23日 7時) (レス) id: 9e0511f770 (このIDを非表示/違反報告)
ロイミー(プロフ) - つみきさん» ありがとうございます！励みになります、頑張ります！ (2020年6月7日 14時) (レス) id: 6a770a8d65 (このIDを非表示/違反報告)
つみき - 続編おめでとうございます！お話がすごく好きで、引き込まれます。頑張ってください！ (2020年6月6日 22時) (レス) id: da29838e5a (このIDを非表示/違反報告)
ロイミー(プロフ) - りいなさん» ありがとうございます！更新頻度は下がりつつありますが精一杯頑張ります！ (2020年6月6日 21時) (レス) id: 6a770a8d65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ロイミー | 作成日時：2020年6月6日 20時
