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｢……あれ、グリムだ｣
｢グリム？｣
隣を歩くエペルが不思議そうに中庭をみる。
｢ユウちゃん困ってるだろうな……｣
｢ユウちゃん……って、あの監督生サンだっけ｣
｢監督生？｣
そういえば朝デュースもそんなこと言ってたな、と思い出す。監督って、何をだ？
｢オンボロ寮の監督生って有名だよ。昨日なったらしい｣
｢へぇ〜。んじゃ、グリムが捕まらなきゃ監督生は大変なのね｣
にや、と口角が上がる。
｢しょうがない、優しい優しいAくんが捕まえてあげますか｣
｢えっ、授業は！？｣
｢大丈夫、すぐ戻るよ｣
エペルにそう言ってから、中庭へ飛び出す。
入学式の時みたいにユニーク魔法を使った方が早いだろうと判断して、魔法を使う。
｢
｢へっ？｣
素っ頓狂な声が聞こえて、首を傾げる。僕がグリムに向けてかけた魔法は、なんと横から飛び出してきたエースにかかってしまった。
｢うっそー！｣
｢わ、わ！なんだこれっ！う、動けねえ！！｣
｢ごめんごめん！待って解く、解くからぁっ！｣
慌てて解こうとしたが、テンパってしまっていつものように出来ない。僕の発動条件…は集中し続けることなのだ。今ので一気に集中力が切れてしまった。
そうしてる間にもグリムはすたこらさっさと逃げていく。それを横目で見つつ、諦めたようにため息をつく。
｢……………ごめん、諦めて｣
｢は？……わっ、ちょ！体が勝手に…！！｣
｢急いでグリムを捕まえて！！｣
｢どぅえええええ！！！！？？？？｣
僕が命令すれば、エースは僕の言う通りに動く。それも猛スピードで。網を持ったエースが縦横無尽に駆け回る様子は少し怖い。
グリムもあまりの怖さにピタッと動きが止まってしまった。そこをデュースが大釜で止める。
今度こそ、と集中して魔法を解く。開放されたエースは疲れきってしまったようで、その場に力なく座る。
｢っだあぁ〜………疲れたぁ……｣
｢……あー、ごめん。メモウィズっていいなら授業受けられるけど｣
｢絶ッッッ対やめろ｣
物凄い剣幕で言われたから素直に押し黙る。グリムを抱きしめてユウちゃんの元へ連れていけば、悲鳴を上げた後腕の中のグリムを見てペコペコ頭を下げて謝ってきた。
｢…お礼させてください｣
｢え、いいよ｣
あの二人はお昼ご飯を対価にしたらしい。女の子にお金使わせるなよ。しっかり遠慮しといた。
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ゆる(プロフ) - ほんとに面白いですね!続きが楽しみです!無理のない程度で更新がんばってください!応援してます! (2023年1月1日 0時) (
レス) @page27 id: 6719ad2600 (このIDを非表示/違反報告)
時雨ですな(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです！更新頑張ってください！！ (2021年6月23日 7時) (レス) id: 9e0511f770 (このIDを非表示/違反報告)
ロイミー(プロフ) - つみきさん» ありがとうございます！励みになります、頑張ります！ (2020年6月7日 14時) (レス) id: 6a770a8d65 (このIDを非表示/違反報告)
つみき - 続編おめでとうございます！お話がすごく好きで、引き込まれます。頑張ってください！ (2020年6月6日 22時) (レス) id: da29838e5a (このIDを非表示/違反報告)
ロイミー(プロフ) - りいなさん» ありがとうございます！更新頻度は下がりつつありますが精一杯頑張ります！ (2020年6月6日 21時) (レス) id: 6a770a8d65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ロイミー | 作成日時：2020年6月6日 20時
