_ ページ11
｢デュース青にするの得意でしょ？ごめん、僕苦手みたいでさ、手伝ってくれない？｣
｢…！じゃああの空はAがやったのか！？｣
｢しーっ！ね、お願い！勢い余って空まで塗っちゃっただけで悪気はなかったの！｣
お願いすれば、デュースは｢僕は色変え自体得意ではないからできるか分からないぞ｣と言いつつ、マジカルペンを空に向けて魔法をかけてくれた。
見事に空は元通り。これで安心して薔薇塗りが再開できる、とほっとする。
｢あれ〜、戻っちゃった。ま、いっか！映えてる写真も撮れたし、薔薇塗り再開しよ！｣
｢つーか、薔薇は白いままでもよくね？綺麗じゃん｣
｢こればっかりは伝統だからね｣
エースの疑問に、ケイト先輩は答える。春の庭でやる花たちのコンサートはなんなのか分からないけど、花、が主役なのかな。
｢変な決まりばっかりなんだゾ！｣
｢これはグレート・セブンの1人、ハートの女王が決めたルールなんだって｣
リドル先輩は歴代寮長のなかでもかなりガチガチに伝統を守ってる真面目な人らしい。ていうことは、歴代寮長の中ではゆるゆるな人もいたってことか。
ま、ちょっとやり過ぎなところも否めないけど……。
そうケイト先輩は呟いた。かなり小さかったから皆は聞こえなかったみたいだけど、たしかに口がそう動いた。やり過ぎ……ってどういうことだろう。
｢そうだ。オレもこんなことやってる場合じゃなかった。寮長に話があるんですけどまだ寮内にいます？｣
｢ん？まだいる時間だと思うけど……ところで寮長のタルトを盗んだエースちゃん。お詫びのタルトは持ってきた？｣
｢え？いや、朝一で来たから手ぶらすけど……｣
｢あちゃ〜。そっかぁ｣
｢それじゃあハートの女王の法律・第53条に反してるから、寮には入れられないな｣
｢Aちゃん、分かる？｣
｢第53条…………｣
急に話を振られたもんだからびっくりしたけど、53条ならもう見たはずだ。記憶の中を片っ端から漁ってみる。
｢…あ！『盗んだものは返さなければならない』！！｣
｢当ったり♪｣
｢はあ？なんだそりゃ！？｣
無事当たっていたらしい。ケイト先輩は人当たりのいい笑みを浮かべて、頭を撫でてくれた。
｢この寮にいるからにはルールに従ってもらわないと。見逃したらオレも首をはねられちゃう。悪いけど、リドルくんが気付く前に出てってもらうね｣
と言ったケイト先輩は先程の笑顔とは一転、目を細めた怪しい笑みだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1142人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆる(プロフ) - ほんとに面白いですね!続きが楽しみです!無理のない程度で更新がんばってください!応援してます! (2023年1月1日 0時) (
レス) @page27 id: 6719ad2600 (このIDを非表示/違反報告)
時雨ですな(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです！更新頑張ってください！！ (2021年6月23日 7時) (レス) id: 9e0511f770 (このIDを非表示/違反報告)
ロイミー(プロフ) - つみきさん» ありがとうございます！励みになります、頑張ります！ (2020年6月7日 14時) (レス) id: 6a770a8d65 (このIDを非表示/違反報告)
つみき - 続編おめでとうございます！お話がすごく好きで、引き込まれます。頑張ってください！ (2020年6月6日 22時) (レス) id: da29838e5a (このIDを非表示/違反報告)
ロイミー(プロフ) - りいなさん» ありがとうございます！更新頻度は下がりつつありますが精一杯頑張ります！ (2020年6月6日 21時) (レス) id: 6a770a8d65 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ロイミー | 作成日時：2020年6月6日 20時
