7.忘却メモリー！ ページ1
植物園の入口に立つ先輩に助けを求めれば、彼は思い出したように口を開いた。
｢そういえばキミはレオナさんがいつもどこで寝てるかなんて知らないッスよね。案内するんで、着いてきてください｣
｢あ、ありがとうございます……｣
寝てる…ここで？土と葉っぱの匂いと、苦い匂いもするし、気持ちよく寝れるとは思えない。
そう思いながら着いていけば、ラギー先輩は途中で足を止めた。
反動で背中に思い切りぶつかりそうになるのを踏ん張って防ぐ。
｢ここッス。なんかあったら呼ぶッスよ｣
｢……はぁい｣
ラギー先輩の背中からちら、と様子を伺えば、そこにはたしかに朝会った人が寝ている。
近づいても起きる様子はまるで無い。仕方なくポスンと傍に腰を下ろす。
｢(スヤスヤ寝てる……起きない、のかな)｣
あまりに無防備に寝てるもんだから、そのふわふわな耳に触りたくなる。
｢(いいや、寝ててバレないんだし触っちゃえ！！)｣
思い切って、耳に手を伸ばす。
が、その試みは失敗に終わる。寝ていたはずの彼に腕を捕まれ、すんでのところで触れなくて若干ショックを受ける。
｢………寝てたんじゃないんですか｣
｢ハッ。お前が
鮮やかな翠眼に見つめられ、鋭いそれは咎められている気すらしてくる。なんとなく気まづく感じ、視線を逸らして言う。
｢僕を呼んだって聞いたんですけど、なんの用ですか？｣
｢……あァ。お前に聞きてぇ事があんだよ｣
レオナさんは体を起こしながらそう言ったかと思えば、｢ラギー｣と呼んだ。
｢なんスか、レオナさん？｣
｢お前もどうせ聞いてたんだろ。どうせならここで聞いとけ。お前もちょっとくらいは聞いた事ある話だろうしな｣
ラギー先輩は頷き、近づいてきて座った。
｢お前、名前は？｣
｢…A。A・アムールって言います｣
｢……ふぅん？｣
答えれば、意味ありげにそう呟く。その様子に僕だけじゃなくてラギー先輩も不思議に思ったのか、レオナさんに問う。
｢どーしたんスか、レオナさん。オレあんまり学がないから知ってる話かも分かんないッスよ｣
｢“呪いの子供”の話だよ。詳しくは知らなくても、聞いた事くらいはあんだろ｣
｢あぁ、聞いた事あるッス。って言ってもアレって何年も前の話でしょ？それに、この子となんの関係があるんスか？｣
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ゆる(プロフ) - ほんとに面白いですね!続きが楽しみです!無理のない程度で更新がんばってください!応援してます! (2023年1月1日 0時) (
レス) @page27 id: 6719ad2600 (このIDを非表示/違反報告)
時雨ですな(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです！更新頑張ってください！！ (2021年6月23日 7時) (レス) id: 9e0511f770 (このIDを非表示/違反報告)
ロイミー(プロフ) - つみきさん» ありがとうございます！励みになります、頑張ります！ (2020年6月7日 14時) (レス) id: 6a770a8d65 (このIDを非表示/違反報告)
つみき - 続編おめでとうございます！お話がすごく好きで、引き込まれます。頑張ってください！ (2020年6月6日 22時) (レス) id: da29838e5a (このIDを非表示/違反報告)
ロイミー(プロフ) - りいなさん» ありがとうございます！更新頻度は下がりつつありますが精一杯頑張ります！ (2020年6月6日 21時) (レス) id: 6a770a8d65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ロイミー | 作成日時：2020年6月6日 20時
