16.要請イージー！ ページ16
｢あれ〜、もう鶏肉のグリル売り切れちゃったの？えぇ、ショック〜………楽しみにしてたのになぁ…｣
ガッカリ、というように肩を落とせば、周りがザワつく。
可愛いと言われるのは心底嫌だけど、せっかく持って生まれたものを有効活用しないのは勿体ない。
可愛い子がショックを受けている。そんな状況になったら……
｢あのっ！！鶏肉のグリルだったら俺のをどうぞ！！｣
｢いや、オレのをぜひ貰ってください！！｣
｢いやいや、僕のを！！｣
こういう風に群がってくる。
ここで素に戻るのは得策とは言えないので、可愛こぶったまま口を開く。
｢えぇ、いいの？えへへ、嬉しい〜♪でもそんなに食べれないから、貴方のを貰ってもいいですか…？｣
そう言いながら、上目遣い気味で1番近くにいた人を見上げる。案の定彼は勢いよく頷いて渡してくれた。
｢ばいば〜い！みんなもありがと〜！｣
そう手を振って、エース達のところへ戻る。後ろから｢なんでお前だけ！！｣とか｢ずりぃぞ！！｣とか｢俺もう死んでもいい｣とか聞こえるのは全部無視だ。
元の場所に戻れば、ちょうど戦いは終わったらしい。去っていく先輩たちを、慌てて引き止める。
｢先輩、僕の鶏肉のグリルとカルボナーラで良かったらどうぞ｣
｢えっ、いいのかよ？｣
｢もちろん、交換しましょ｣
そう言って微笑めば、先輩達は快く交換してくれた。やっぱり本当はいい人なんだな。
｢へん！！口ほどにもねーヤツらなんだゾ！おとといきやがれってんだ！｣
｢揉め事ご法度って言われたばっかりなのに………っていうか、Aさんいつの間に鶏肉のグリル取ってたんですか？｣
不思議そうに聞いてきたユウちゃんの方を振り向き、笑顔で答える。
｢さっきもらったの。お願いしたら皆どうぞどうぞって。優しかったなぁ｣
｢へぇ〜！やっぱりさっきの人達があれなだけで他の人は優しかったんですね｣
ユウちゃんは大分素直らしく、僕の言葉を丸ごと鵜呑みにした。少しくらい疑ってかかるくらいじゃないと騙されちゃったりするんじゃないかな。
｢とにかく、オレらもランチにしよ。朝ごはんも食べ損ねたし、オレもう倒れる寸前……｣
｢はあ、ひどい目に遭った。優秀な魔法士を輩出する名門校にあんなテンプレ不良がいるとは……｣
｢本当にね、びっくりした｣
言いながら席に着くデュースの隣に腰掛ける。そういえば、さっきの人達ハーツラビュル寮生だったな……。
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ゆる(プロフ) - ほんとに面白いですね!続きが楽しみです!無理のない程度で更新がんばってください!応援してます! (2023年1月1日 0時) (
レス) @page27 id: 6719ad2600 (このIDを非表示/違反報告)
時雨ですな(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです！更新頑張ってください！！ (2021年6月23日 7時) (レス) id: 9e0511f770 (このIDを非表示/違反報告)
ロイミー(プロフ) - つみきさん» ありがとうございます！励みになります、頑張ります！ (2020年6月7日 14時) (レス) id: 6a770a8d65 (このIDを非表示/違反報告)
つみき - 続編おめでとうございます！お話がすごく好きで、引き込まれます。頑張ってください！ (2020年6月6日 22時) (レス) id: da29838e5a (このIDを非表示/違反報告)
ロイミー(プロフ) - りいなさん» ありがとうございます！更新頻度は下がりつつありますが精一杯頑張ります！ (2020年6月6日 21時) (レス) id: 6a770a8d65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ロイミー | 作成日時：2020年6月6日 20時
