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式典服:まだスピード出せるわけ!? 1話 ページ19

youside

「眠れない……」



今は夜中の0時。

本来ならば疲れてぐっすり眠っていて夢の中にいる時間だが、なぜだか今日は寝付けない。



そっとベッドから降り、音を立てないようにしながら窓の方へと向かう。






空に浮かぶ星を見ていると、ほうきで飛び回りたい気分になった。




「式典服なら外でも目立たないかな……」



 
そうと決まれば、と式典服に着替える。




皆を起こさないように注意を払い、窓枠に足をかけ、そのままほうきを片手に飛び降りた。




重力のままに落下していき、地面に着く前に体制を整えてほうきに跨る。





そして、空へと一気に上昇した。





──


「やっぱり、かなりの高さまで来ると少し空気が薄く感じるなぁ……」



誰もいないからか、思わず声が零れる。



「そうだね。それにしても、こんな時間に一人でいるとは、些か危険ではないかな?」


バッと声のした方を向くと、そこには僕もよく知る人物がいた。





「………ルーク先輩」


「ボンソワール。宝石の君(ロア・ドゥ・ビジュー)




そう言って微笑んだルーク先輩は、月明かりに照らされているのもあり、優美という言葉が似合う。




ビックリして固まる僕の目を見つめ、ルーク先輩が口を開く。



「満天の星空の下ほうきで散歩とは、随分と洒落てるね」




心の中で、これは散歩なのか?と思ったが、否定する事に少し面倒くささを感じたから否定しないでおく。




「…ルーク先輩はこんな真夜中に何を?」



まるで自分の心の奥を見透かされているような視線から思わず逃げてそう問えば、彼は先程の笑みとは一転。朗らかに言った。



「私は教室に忘れ物をしてしまってね、それがなければ課題を終わらせることが出来ないものだから取りに来たのさ」



ふと下を見れば、そこには校門があった。




「(いつの間にかこんな所まで来ちゃってたのか……)」




「そうだ、宝石の君(ロア・ドゥ・ビジュー)!辺りは誰もいない、キミと私の2人だけだ。加えてここは広々とした空。シャ・ペルシェをするのにうってつけだと思わないかい?」


聞きなれない単語に思わず首を傾げる。



「しゃ…ぺ…?」

「シャ・ペルシェだよ。平たく言えば鬼ごっこと同義さ。どうだい?」



はあ……と抑揚のない声で言えば、どうやらYESと受け取ったらしい。


「当然、追いかけるのは私さ。さて、キミはこの
愛の狩人( ル・シャソゥ・ドゥムアール)から逃げられるかな?」

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(プロフ) - ロイミーさん» いえいえ!こちらこそこんなに面白いお話を読ませていただかせて本当にありがとうございます!これからも更新頑張ってください!応援してます。 (2020年5月23日 7時) (レス) id: bb5b41793a (このIDを非表示/違反報告)
ロイミー(プロフ) - 棗さん» わざわざありがとうございます!パソストのあの部分声に出してると思ったのでその描写をしたのですけどやっぱり変ですかね……色々修正してみます…。貴重なご意見ありがとうございました! (2020年5月23日 1時) (レス) id: 6a770a8d65 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 結構最初のエースが鏡の前にたっているところです。さすがにお兄ちゃんのことまでは読唇術では読み取れないのではないか…と思いまして、、、考えすぎだったらすいません(><) (2020年5月22日 21時) (レス) id: bb5b41793a (このIDを非表示/違反報告)
ロイミー(プロフ) - 全然大丈夫です!^^* ご指摘の件ですが、1度自分で全部目を通してみてもわからず、どこの部分か教えて頂いてもよろしいでしょうか……?? 更新嬉しみにして頂けて嬉しいです! (2020年5月22日 20時) (レス) id: 6a770a8d65 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 文句を言っているようで申し訳ないですが、読唇術ではさすがに心までは分からないのでは無いのでしょうか?実際口が動いてなければ何もわからないですし…それならば読心術の方が良いのでは、と思ってしまいました。更新楽しみにしてます。 (2020年5月22日 19時) (レス) id: bb5b41793a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ロイミー | 作成日時:2020年5月15日 19時

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