実験着:可愛いって言うな!1話 ページ12
─植物園─
youside
「よし、あとはこの集め終わった薬草を放課後中にクルーウェル先生に届けて……と」
?「ん?あ〜〜〜!!」
「ぎゃぁ!」
頭に誰かの体重がかかり、重さに耐えきれず体制を崩してしまった。
「(良かった、カゴの中身はぶちまけないで済んだ……)」
?「クリオネちゃんだ〜〜〜!ねえねえ、こんな所で何してんの?」
「フ、フロイド先輩!!」
ぎゅっとするのやめてください、と抗議するが、まるで聞く耳を持たないと言った感じでスルーされる。
「フロイド先輩、僕クルーウェル先生に薬草届けなきゃいけないから忙しいんですよ。ごめんなさい、また今度遊びましょう?」
ね?と諭すが、効果はないようだ。
フロイド「え〜、何それ?イシダイ先生とかどうでもよくね?俺を最優先に考えてよ〜!」
「先輩は僕のめんどくさい彼女かなんかですか」
ふと、視線を薬草の入ったカゴへと移す。
あ、
「一種類足りない」
フロイド「ん、どれ?」
「えっと……よ、宵闇草…?です」
フロイド「宵闇草かぁ。宵闇草はこっち〜」
「え、わ!」
そっと地面に下ろされ、フロイド先輩に腕を引かれる。
フロイド先輩と僕の身長差はかなりあって、足の長さが全然違うから必然的に小走りになってしまう。
フロイド「あ、ごめんね〜クリオネちゃん」
「いえ……ありがとうございます」
僕の足音に気付いたのか、フロイド先輩が歩くペースを遅くしてくれた。
「(皆はよくフロイド先輩の事を怖いって言うけど、やっぱり優しい人だな)」
心がぽかぽかしていくのを感じながら、フロイド先輩の斜め後ろを歩いていく。
──
あの後、フロイド先輩は宵闇草が群生していた場所まで連れて行ってくれて、さらに収穫まで手伝ってくれた。
「フロイド先輩ありがとうございました!じゃあ僕はクルーウェル先生のところに行くので、これで!」
そう言って身を翻して去っていこうとする僕の腕を掴んだのは紛れもないフロイド先輩で。
フロイド「待ってよ、クリオネちゃん。俺にお世話になったんだからお礼するべきでしょ?」
「ヒェッ…お、お礼なら言いましたけど……」
フロイド「んーん。言われたけどさぁ、違くね?」
さっきとは声のトーンが違う先輩に、嫌な予感がした。
「も、もしかして…………」
フロイド「当然、このあとの時間は俺にくれるよねぇ」
「へ、ひ、ひぎゃぁぁあぁあああ!!」
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棗(プロフ) - ロイミーさん» いえいえ!こちらこそこんなに面白いお話を読ませていただかせて本当にありがとうございます!これからも更新頑張ってください!応援してます。 (2020年5月23日 7時) (レス) id: bb5b41793a (このIDを非表示/違反報告)
ロイミー(プロフ) - 棗さん» わざわざありがとうございます!パソストのあの部分声に出してると思ったのでその描写をしたのですけどやっぱり変ですかね……色々修正してみます…。貴重なご意見ありがとうございました! (2020年5月23日 1時) (レス) id: 6a770a8d65 (このIDを非表示/違反報告)
棗(プロフ) - 結構最初のエースが鏡の前にたっているところです。さすがにお兄ちゃんのことまでは読唇術では読み取れないのではないか…と思いまして、、、考えすぎだったらすいません(><) (2020年5月22日 21時) (レス) id: bb5b41793a (このIDを非表示/違反報告)
ロイミー(プロフ) - 全然大丈夫です!^^* ご指摘の件ですが、1度自分で全部目を通してみてもわからず、どこの部分か教えて頂いてもよろしいでしょうか……?? 更新嬉しみにして頂けて嬉しいです! (2020年5月22日 20時) (レス) id: 6a770a8d65 (このIDを非表示/違反報告)
棗(プロフ) - 文句を言っているようで申し訳ないですが、読唇術ではさすがに心までは分からないのでは無いのでしょうか?実際口が動いてなければ何もわからないですし…それならば読心術の方が良いのでは、と思ってしまいました。更新楽しみにしてます。 (2020年5月22日 19時) (レス) id: bb5b41793a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ロイミー | 作成日時:2020年5月15日 19時