【HQ】高嶺の花なあの子を攻略したい【宮治】

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まぁ、何はともあれこれはチャンスや。Aさんが話しかけてくれたこの機会を大事にして、宮治！！男を見せるんや！！！！




｢Aさん！！｣

｢？ おん｣

｢一緒に……遊園地っ、行ってください！！｣







朝の時間帯はなんや皆ザワついとって、喧しいな思うたことが何回もあったけど、今だけは何故か世界から音が無くなったんかって思うほど静かやった。




誰もなんも喋らんくて、Aさんの息を呑む音までもが伝わってきた。






｢…………おん、ええで｣

｢っ！！｣




うおおぉぉぉぉぉ！！





そんな感じの雄叫びが当たりを包んで、なんや俺の心の内が晒されてんのかと思ったけど、どうやら周りのギャラリーの声らしかった。




｢きゃ〜！やっぱりあの2人付き合っとるん！？｣

｢え〜、うち治くん狙っとったのに〜！｣




と少し残念がるいつも俺らに群がっとる女子たちと




｢やっぱりAさんもあんくらいの顔整ってる奴のがええんか……！！｣

｢つか高嶺の花に易々と話しかける宮治猛者やなぁ｣




と俺を称賛したり嫉妬したりする男子たち。







あかん、状況整理してみてもなんかよう分からん。とりあえず嬉しすぎて死んでまう。






｢あれ、治やん｣

｢侑も。何やってんの？｣



少し遅れて登場したのは銀と角名。もう少し早ければ俺の勇姿が見れたんに、残念やったな。







｢……角名くん｣

｢……あ、Aもいたんだ｣







(……え、なに、知り合いだったん？)






なんとなくAさんと角名の2人の間の雰囲気が気まずそうな重々しいものに感じられて、俺は口を噤んだ。




いや、角名がAさんのクラス知ってたりしたのは、まあAさん人気者やし知っとるんやろうなって思っとったんやけど。









ただの知り合いなんやとしたら









なんで2人して目線逸らして、気まずそうにしとんの？









(2人は付き合ってたりしたんやろか)







なんて考える俺の脳裏に、昨日のAさんの言葉が蘇る。



『……あはは、考えとくわ』



あんな感じで笑っとったんも、もしかしてバレー部に角名がおるから？








(｢角名とどんな関係なん？｣って聞いても……なんつうか、友達の俺には関係の無いことやし、教えてくれへんよな。)






胸がモヤモヤして、なんか嫌な晴れない感じ。







さっきまでムカついてたのに一気に喜んで、んで次はモヤモヤ。





恋しとると人間って情緒不安定になるん？

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