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(あかん、アホやった。あんな人の多いところでAさん1人にしたら絶対よからぬ連中に絡まれるやろ)
目当てのものを買い、慌てて彼女の元へ踵を返す。
人だかりになっている購買の入口で、やけに人が少ない場所があった。皆チラチラそちらを見ていて、あぁ、Aさんのこと見とるんやなって嫌でも分かってしまう。
人混みをかき分けて彼女の元に辿り着けば、俺が想像していたようなことは一切なく。皆、ただ遠巻きに彼女を見てるだけやった。
(あぁ、そっか。“高嶺の花”なんやもんな)
彼女のことを知ってから、改めて高嶺の花の意味を調べてみた。
────“遠くから見るだけで、手に入れることのできないもの、あこがれるだけで、自分にはほど遠いもののたとえ。”
(────それがなんやねん)
高嶺の花だろうが、好きやから俺のものにしたいんやろ。他の奴らが指くわえて見とる中、高嶺の花の彼女が俺の腕の中に収まってるその光景を見たいんやって。
見るために俺は今頑張っとるんやろ。
たかがマネージャーの話が好感触やなかったくらいでなんなん?別に一世一代の告白断られたわけちゃうやんか。
彼女の眼中にもあらへんだろう俺はそこで諦めたらあかんやろ。
(いつの間にか自信喪失してたとか情けないわ。…………よし)
「っA……さん!」
「っ………あ、宮くんやっと来た……なんかすごい見られるし怖かってんけど?」
「おん。すまんな。ちょい気合い入れ直しとった」
「なんの???」
「ふふ、内緒や」
友達の俺は今はこうしてさりげなく名前を呼ぶことしかできへんけど、君は意識してくれてるんかな。
いつか友達の枠から抜け出してやるから、そんときは覚悟しといてな。俺以外目に入らんようにしたる。
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『…………あれ、今宮くん私の事名前で呼んだ?』
『!…………おん、あかんかった?』
『ううん、そうやない!そっか、友達なら普通か…………よし、私も治くんって呼んでもええ?』
『ぅ、ぁ?ぇ、えっ、もちろんええって言うかむしろ呼んで欲しいけど……ええん?』
『あはは、呼んで欲しいん?治くんて案外変わっとるな〜?それによう考えたら宮くんてもう1人おるやんか。あんま仲良ないし名前は覚えとらんけど……』
(やば、同じクラスの
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クロイルカ - 渚さん» わかるきになります (2022年10月8日 8時) (レス) @page21 id: dc34629a9d (このIDを非表示/違反報告)
渚(プロフ) - 結局角名と夢主との関係ってなんだったんですか? (2022年9月13日 22時) (レス) @page15 id: 4b6b08afa8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ロイミー | 作成日時:2020年10月25日 12時