【HQ】高嶺の花なあの子を攻略したい【宮治】 (ページ4)

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｢わ、治くんや……！｣

｢隣歩いとるん、Aちゃんやんな！？相変わらず可愛ええ……！｣

｢いや美しいやろ！｣

｢絵面がとんでものうええ｣

｢付き合うとるんかなぁ、お似合いやわ｣

購買へ向かうため彼女と並んで廊下に出れば、辺りは称賛の嵐が巻き起こる。

この顔に産んでくれたおかんに感謝やな。

誰かが｢付き合うとるんかなぁ｣と言うたから、チラッと横におる彼女を盗み見れば、Aさんは下を俯いとった。

せやけど、歩く度にサラサラ靡く髪から覗く耳はリンゴみたいに真っ赤やった。

(は？？あかんあかん可愛すぎるて、は？俺が見えとらんだけで背中に天使の羽とか生えとるんとちゃうの？？？？)

そこまで考えて、ハッとする。友達なら購買までの道のりでどうでもええ話やらして盛り上がるんが普通なんとちゃう…！？

｢なぁ、Aさん！！｣

｢……ん、なんや？｣

｢っんぐ、……ぶ、部活って、どっか入っとるん…？｣

大変情けない。語尾がだんだん小さくか細なっていく。言い訳させてや。

なんや？って笑顔で、俺のが身長高いから……！！上目遣いで……！！！！！

思わず思いっきり目線を逸らしてしもうたけども、彼女が鈴の鳴るような可愛い声を発したのが分かってまたそちらへ顔を向ける。

｢部活な〜、やりたいこと見つからんくて入っとらんの。得意なこととかあらへんしなぁ｣

｢っ、せやったら、バレー部のマネージャーしてくれへん！！？？｣

あ、やってもうた。俺の口はいとも簡単に心の内をさらけ出してもうて、目の前の彼女が目ぇ丸うするのが分かった。声アホでかなったし、最悪や。

｢……あはは、考えとくわ｣

そう言うてまた俯いてもうた彼女の笑顔は、いつもとちゃうように感じた。

(やっぱ、友達なったばっかでさすがに馴れ馴れしかったんかいな。うわ、申し訳あらへん)

これで嫌われたとかやったらほんまに数秒前の俺を呪い殺すレベルで恨む。

*

｢ほな、俺買うてくるわ。危ないしここで待っとってな｣

｢おん、いってらっしゃい｣

控えめに手ぇ振る彼女に対して、また胸がギュンってなる。可愛さで俺を殺す気なん？とんだ殺人犯やな……ほんま、なんでこんな可愛い子がこの世に生まれてきたんやろ。

(“いってらっしゃい”って……新婚さんみたいやなぁ)

あらぬ妄想をしてしまった頭をブンブン振りつつ、顔を覆う。

(とりあえず、嫌われたとかやないんかな)