【HQ】高嶺の花なあの子を攻略したい【宮治】 (ページ15)

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｢え、なに銀ってあの子と仲ええん？｣

｢まぁちゃうって言うたら嘘になるな。1年の頃同じクラスで、席替えしてもずっと席隣やったんよ｣

(は？？？？？なんやそれくっっっっそ羨ましい)

強運すぎん？？？銀ずるいわ、ともはや怒りの矛先が銀に向いてきたところで、侑(ツム)の声でハッと意識が戻ってきた。

｢銀って言うたら、角名も去年銀と同じクラスやったやんな？仲良かったん？｣

｢………え、俺？｣

急に話を振られたからか、驚いた様子の角名はスマホから顔を上げてじっくりと俺らを見据えた。ちゅうか、俺……？

その目は珍しく焦りが滲んどって、俺も背中に冷や汗が流れるのを感じた。

｢……俺は、｢なんや、自分ら知らんの？角名とAは────｣っ、ちょっと、銀！｣

｢っえ何！？これ秘密やったっけ！？｣

｢そういうわけじゃないけどさ……｣

銀の耳元でコソコソとなんかを言う角名は、やっぱAさんと何らかの関係があるらしい。それが何なのかは全く検討がつかへんけども。

なんなんやろ、考えても全然分からん……

(ん、いや……ええわ。大事なのは俺がどう行動するかやし、とりあえず本人に聞いてみなきゃやろ！)

｢っ角名！｣

｢……え、何？｣

｢自分、Aさんと付き合うとるん！？｣

俺が目ぇ合わせてそう問えば、角名も俺から目ぇ逸らそうとはせーへんかった。

今俺の心の中にあるのは、ずっと気になっとった事が漸く知れるかもしれないっちゅうワクワク感だけやった。

｢……あー、えっと。これは俺が勝手に言うて良いのか分かんないから、Aには言わないで欲しいんだけど…………｣

言いにくそうに、少し躊躇いながら角名は言葉を紡いでいく。俺はただじっと言葉の先を聞き逃すまいと一心に耳を傾けとった。

｢俺とAは───────｣

｢……は｣

休憩終わるぞ、と告げる先輩達の声が、えらい遠くに感じた。